居抜き物件の譲渡時に多いトラブルって?

2018年12月25日

契約書①

経営不振によって飲食店を閉店する場合、できる限りコストをかけずに退去するために有効な方法が、居抜きでの店舗物件の譲渡です。

 

ただ居抜きによる店舗物件の譲渡では、トラブルが発生するケースも少なくありません。

居抜きで店舗物件を譲渡する際には、どんなトラブルが多いのでしょうか?

 

 

○居抜きで店舗物件を譲渡する際に多いトラブル①貸主の許可が下りない

 

貸主の譲渡許可が下りないというのは、居抜きで店舗物件を譲渡する際によくあるトラブルの1つです。

 

店舗物件の賃貸借契約には、原状回復を施してから退去するというルールが記載されているのが一般的です

もし原状回復のルールが記載されている場合、貸主が譲渡を認めなければ、居抜きで店舗物件を譲渡することはできません。

 

もしそれでも居抜きで店舗物件を譲渡したいという場合は、ダメ元で貸主を説得してみましょう。

 

賃貸契約書のルールに反しているという理由以外にも、貸主が居抜きによる店舗物件の譲渡を認めたくない理由があるかもしれません。

 

 

○居抜きで店舗物件を譲渡する際に多いトラブル②従業員に知られてしまう

 

居抜きで店舗物件を譲渡する際には、従業員に店舗を譲渡するという旨を早期に知られないように注意しなければいけません

 

居抜きで店舗物件を譲渡する前に、従業員が閉店の事実を知って退職してしまい、譲渡まで経営ができないというトラブルはよく起こります。

 

店舗物件の譲渡先がすでに決まっている場合であればまだいいのですが、譲渡先が決まっていない状態で経営が困難になってしまうと、譲渡前に閉店せざるを得なくなってしまいます。

 

必ず譲渡先が見つかった後に、従業員に閉店の旨を伝える時間を作るようにしましょう。

 

 

○居抜きで店舗物件を譲渡する際に多いトラブル③譲渡先にドタキャンされる

 

居抜きで店舗物件を譲渡する際、購入希望者がいれば譲渡契約の前に、1度譲渡前契約を結びます。

 

これは譲渡することが決定する契約ではなく、あくまで購入希望者による申し込みです

それでも売り手は譲渡先が決定したという気持ちで段取りをするため、そこから閉店準備へと取りかかることが多いです。

 

ただ譲渡契約直前に、購入希望者に申し込みをキャンセルされる場合があります。

これも、居抜きで店舗物件を譲渡する際によく起こるトラブルです。

 

あくまで譲渡前契約をキャンセルされたことになるため、売り手は購入希望者に対してキャンセル料などを請求することはできません。

当然、キャンセルを取りやめさせることもできないのです。

 

こういうトラブルを回避するために、譲渡先と完全に譲渡契約を結ぶまで、閉店の準備を進めないようにしましょう。

 

 

○居抜きで店舗物件を譲渡する際に多いトラブル④造作譲渡料の減額を求められる

 

居抜きで店舗物件を譲渡する際、“要らない設備がある”と譲渡先から伝えられ、当初の契約内容で定められた造作譲渡料の減額を求められるというトラブルが発生することもあります

 

譲渡契約では、譲渡する設備をリスト化して造作譲渡料を弾き出し、その上で契約が結ばれています。

したがってこのケースでは、基本的に減額に応じる必要はありません。

 

ただ両者が納得行かなければ明け渡しまでに遅れが生じることもあり、また最初から造作譲渡料を見直すという作業はとても煩雑です。

 

事が大きくならないように、お互いの意見をまとめて折衷案を見つけ出すことが大切でしょう。

 

 

○まとめ

 

居抜きでの店舗物件の譲渡は、コストを減らして退去をしたい方には持ってこいの方法です。

 

ただ居抜きでの店舗物件の譲渡は、売り手と買い手という当事者間で発生するトラブルが多いことも事実です。

そして中には、スムーズに解決するのが難しいトラブルもあります。

 

もし居抜きでの店舗物件の譲渡で何かお困りのことがありましたら、ぜひ居抜きラボにご相談ください。