集合住宅で飲食店はオープンできるのか?

2019年05月25日

飲食店

飲食店をオープンする際は、さまざまな選択肢から店舗物件を探します。
通常店舗物件を借りるのであれば、テナントビルやオフィスビル内のテナントを借りるのが一般的ですが、マンションなどの集合住宅において、飲食店をオープンすることはできるのでしょうか?
詳しく解説します。

 

○集合住宅での飲食店オープンは可能?

 

結論から言うと、集合住宅でも飲食店をオープンさせることはできます。
飲食店をオープンさせるためには、営業許可を取る必要がありますが、“集合住宅では許可が取れない”というようなルールは存在しません。
したがって、以下の要件をクリアしている場合は、集合住宅でも飲食店をオープンできるということになります。

・キッチンにシンクが2台以上ある
・キッチンと客席が区分されている
・キッチンとトイレに手洗いがある
・冷蔵庫がある
・扉が付いた収納設備がある

 

○最初から要件をクリアしている物件はまずない

 

営業許可が下りれば、集合住宅でも飲食店をオープンできると解説しました。
ただ集合住宅の場合、最初から前述の要件をクリアしている物件はまずありません。
したがって、飲食店をオープンさせるには、必ずと言っていいほどその物件を改装する必要があります。
ただ問題なのは、“改装が認められている賃貸物件”というものが、ほとんど存在しないということです。
つまり、集合住宅で飲食店をオープンさせるということは、法律上不可能ではないにしろ、実際はかなりハードルが高いことだということです。

 

○集合住宅で飲食店をオープンさせることの利点

 

集合住宅での飲食店のオープンは、とてもハードルが高いという話をしました。
ただ改装が認められている物件が見つかり、なおかつ改装によって営業許可を取ることができた場合、集合住宅での飲食店のオープンも、選択肢の1つとして考えるべきだと言えます。
ではここからは、集合住宅で飲食店をオープンさせることにどんな利点があるのかを見ていきましょう。

 

・路面店としてオープンできる

これは集合住宅で飲食店をオープンする場合に限ったことではありませんが、もし集合住宅の1階で飲食店をオープンできる場合、路面店としての恩恵を受けられます。
路面店は接する道路から見えやすく、入店もしやすいため、飲食店にとっては非常に好条件の物件となります。

 

・入居者が来店してくれる可能性がある
集合住宅で飲食店をオープンすれば、その集合住宅の入居者が来店してくれる可能性があります。
飲食店に訪れる来客にとって、“家から近い”というのは重要な条件であり、ましてや居住する集合住宅に飲食店があるとなれば、入居者にとっては非常に魅力的でしょう。
また1度入居者の心を掴めば、一気に複数のリピーターを獲得することにも繋がります。

 

○集合住宅で飲食店をオープンする場合に注意したいこと

 

集合住宅で飲食店をオープンする場合は、ゴミの臭いで入居者に迷惑を掛けないように注意しましょう。
また調理をする際の臭いに関しても、入居者が快く思わないことがあるため、排気設備の適切な設置、稼働には細心の注意を払ってください。
ちなみに1階だけでなく、集合住宅の上層階で飲食店をオープンできる場合もあります。
ただ上層階で飲食店をオープンさせる場合、集合住宅の中に不特定多数が出入りすることになり、入居者がセキュリティ面などで不安に思うことが予想されるため、あまりおすすめできません。

 

○まとめ

 

集合住宅で飲食店をオープンするという選択肢について解説しましたが、いかがだったでしょうか?
集合住宅で飲食店をオープンさせることで、他の店舗物件にはないさまざまな利点が生まれます。
ただ改築が必要だったり、改築可能な物件が見つかりにくかったりと、オープンのハードルは他の選択肢よりも圧倒的に高いため、あくまで選択肢の1つとして、店舗物件探しの際に念頭に置く程度にしておきましょう。