必要な広さや座席数から見た物件選び

2019年05月30日

居抜き、居酒屋

店舗物件探しにおいて気になる物件が見つかった場合、必ず内見を行ってその物件の内装や設備状況などをチェックします。
また内見をする際は、自身が開業する店舗に必要な広さ、そして座席数を確保できるかどうかも、しっかりチェックしなければいけません。
今回は、店舗に必要な広さ、座席数について詳しく解説します。


○店舗に必要な広さについて

 

店舗に必要な広さは業種や業態によってまちまちですが、基本的にはどんな業種、業態であっても、10坪程度の広さがあれば開業は可能です。
また10坪に満たない物件であっても、持ち帰りがメインとなる飲食店や、テーブル席を設けないラーメン屋、バーなどは十分開業可能です。
ちなみに10坪に満たない店舗は、調理場、客席ともに手狭になる反面、賃料や人件費などのランニングコストが軽減されるため、利益を上げやすいという利点があります。
したがって、“できるだけ広い物件で店舗経営をしたい”と考える方は、業種や業態によってはあえて少し狭い物件を狙うことも考えましょう。
30坪を超えるような広すぎる物件を選んでしまうと、賃料や人件費が高くなったり、清掃に手間がかかってしまったりする可能性があります。

 

○店舗に必要な座席数について

 

店舗に必要な座席数は、1坪という広さにつきどれくらいの座席数にするのかによって変わります。
例えば一般的なレストランであれば、1坪につき1.3席を設けているケースが多いです。
一方ファストフード店では、1坪という広さにつき2.5席という多めの座席数にしているケースが多くなっています。
基本的に、“ゆったりと座れる店舗にしたい”と考える方は、1坪に設ける座席数を少なくします。
ただ座席数を多くすればするほど、多くの来客を取り込めるため、利益が大きくなるのは言うまでもありません。
しかし座席数を増やす分、調理場のスペースが狭くなるということは、必ず念頭に置いておきましょう。
どれだけ集客に成功し、どれだけ店舗が繁盛したとしても、調理場が狭いことで調理の効率が悪くなり、経営を回せなくなってしまうと意味がありません。
また高級感のある飲食店などを経営したい場合、1坪という広さにつき複数の座席数にしてしまうと、コンセプトに合ってない店舗ができ上がってしまいます。
したがって、まずはコンセプトをしっかり確立してから、店舗に必要な座席数を考えるようにしましょう。
ちなみに立ち食い蕎麦店など、客単価が少なくなおかつ回転が速い業態の飲食店は、できるだけ多く座席数を設けるようにしましょう。

 

○調理場と客席のパーセンテージについて

 

必要な広さと座席数という観点から物件探しをする場合、調理場と客席のパーセンテージをどうするのかも必ず決定しなければいけません。
一般的には、食事をメインに提供する店舗ほど、調理場のパーセンテージが多くなります。
例えばレストランにおける調理場と客席のパーセンテージは、調理場4:客席6の場合が多いです。
逆にバーやカフェなど、食事ではなくアルコールやドリンクをメインに提供する店舗であれば、もう少し客席のパーセンテージを増やしても問題ないでしょう。
調理場2:客席8くらいのパーセンテージが目安です。
これらを踏まえると、食事をメインに提供する場合は調理場が広めの物件、食事以外をメインに提供する場合は客席が広めの物件を選ぶべきだということになります。
自身が開業する店舗に必要な広さ、座席数を分析して、その後に調理場と客席のパーセンテージを決定すれば、問題なく必要な広さと座席数を確保できるでしょう。

 

○まとめ

 

店舗に必要な広さ、座席数から見た物件選びについて解説しましたが、いかがでしたか?
“広い店舗で座席数を多くすれば儲かる”と安易に考えている方は、1度考えを改めるべきでしょう。
先ほども触れたように、広い店舗で座席数を多くすれば、多くの来客を取り込めるため、利益は大きくなります。
ただ店舗が広すぎたり、座席数が多すぎたりすることで経営が回らなくなった場合、黒字廃業の可能性も十分にあります。