居抜き物件を利用する際に注意したいこと

2019年06月28日

注意

居抜き物件を利用した飲食店の開業には、開業資金の節約、開業までの期間短縮などさまざまな利点があります。
ただ居抜き物件を利用するのであれば、利点ばかりでなく、注意すべきことに関しても必ず把握しておきましょう。
では居抜き物件を利用する際に注意すべきことには、具体的にどんなことが挙げられるのでしょうか?

 

○居抜き物件を利用する際に注意すべきこと①情報の正確性について


店舗の契約を解除する場合、借主は基本的に、実際退去する半年前には貸主に退去の旨を伝えておく必要があります。
なぜかと言うと、貸主は現入居者が退去するまでの間に、新しい入居者を見つけなければいけないためです。
また近年は、借主が退去する旨を伝えているものの、具体的な退去時期は決めておらず、貸主との合意のもとで、“次の入居者が決定したら退去する”というような形を取ることもあります。
したがって居抜き物件の情報は、通常の店舗物件(スケルトン物件)の情報よりも市場に流れることが早い場合があるのです。
ただこの場合、その居抜き物件の賃貸条件、造作譲渡金額などが正確でないこともあり、後々条件や金額が変わってしまう可能性があります。
したがって、居抜き物件を利用して飲食店を開業するのであれば、最初に流れる情報は、あまり正確なものではないと考えておきましょう。

 

○居抜き物件を利用する際に注意すべきこと②前入居者の評判について

 

居抜き物件を利用して飲食店を開業させる場合は、その物件における前入居者における評判についても注意しておきましょう。
飲食店が店を畳む理由はさまざまですが、中には来客からの評判が悪く、周辺住民との揉め事も絶えないことによって、やむなく店を畳むことになったという飲食店もあります。
もしこれから利用する居抜き物件の前入居者が、そのような理由で店を畳んでいる場合、そのイメージをそのまま引き継いでしまい、なかなか客足が伸びない可能性があるので注意が必要です。
このような状況にならないためには、なるべく内装やレイアウトなどを一新し、前入居者のイメージをまったく感じさせない店舗にしましょう。
また入居前に、周辺住民にしっかり丁寧に挨拶をしておくことでも、良いイメージを持ってもらいやすくなります。

 

○居抜き物件を利用する際に注意すべきこと③リース設備について

 

居抜き物件を利用する場合、前入居者が残した厨房設備などをそのまま利用できることがあります。
これは、居抜き物件を利用する上での大きな利点の1つです。
ただこれらの設備が、前入居者の所有していたものではなくリース設備だった場合、話は変わってきます。
例えば、厨房設備のすべてがリース設備であり、あと少しでリース契約の期間が満了するとします。
そのままリース契約を継続するには、当然資金が必要になりますが、これを用意できない場合、厨房設備一式が急に利用できなくなることも考えられます。

 

○居抜き物件を利用する際に注意すべきこと④設備の状態について

 

居抜き物件に残された設備は、当然これまでその店舗で利用されていたものであるため、新品のものよりも不具合が生じる可能性は高くなります。
また場合によっては、飲食店を開業させた直後に故障し、最悪の場合すぐに経営を中断しなければいけないことも考えられます。
したがって居抜き物件を選ぶ際は、どのような設備が残されているのかだけでなく、その設備がどれくらいの期間利用されたものなのかもチェックする必要があります。

 

○まとめ

 

居抜き物件を利用する際に注意すべきこと、知っておくべきことについて解説しました。
“とにかく安く開業したい”、“とにかく早く開業したい”という方が、上記のような注意点を押さえずに開業し、経営に失敗してしまうというケースはよく見られます。
安く開業できたとしても、後々余分な費用がかかると意味がありませんし、早く開業できても、すぐ経営を中断することになると、居抜き物件の魅力は半減します。