店舗開業の前に行うライバル店のチェック

2019年07月05日

ライバル

店舗を開業する場合は、開業するエリア周辺におけるライバル店についてチェックしておく必要があります。
ライバル店についてチェックしておくことで、同じようなサービスを行う店舗にどんな客層が訪れているのか、またどんな目的で訪れているのかといった情報を手に入れることができるためです。

 

○どのような店舗が“ライバル店”に当てはまるのか?

 

ライバル店についてチェックする前に、まずどんな店舗がライバル店に当てはまるのかについて考えましょう。
例えばラーメン店を開業する場合であっても、開業するエリア周辺のラーメン店だけがライバル店になるとは限りません。
ライバル店に当てはまる店舗を決めるためには、以下の3つの視点から周辺の店舗をチェックします。

 

・商品
提供している商品が同じ、あるいは似通っている店舗は、ライバル店に当てはまります。
ラーメン店であれば周辺にあるラーメン店、居酒屋であれば周辺にある居酒屋が、当然ライバル店となります。

 

・値段
メインとなる商品の値段、あるいは客単価が近い店舗も、ライバル店として考えるべきでしょう。
例えば、1杯700円のカレーを提供する場合、1,000円のカレーを提供している別の店舗よりも、700円のラーメンを提供している業態が違う店舗の方が競合しやすくなる可能性があります。

 

・利用目的
利用目的が似ている店舗も、ライバル店の1つとしてカウントしましょう。
例えば、“サッと食べてサッと帰りたい”という方をターゲットにした定食屋を開業する場合、業態は違うものの、牛丼屋やファストフード店がライバルとして浮上することもあります。

 

○ライバル店のどこをチェックすべきなのか?

 

ライバル店に当てはまる店舗を明確にした後は、実際にライバル店のチェックをするため、現地に訪れます。
ではこのとき、具体的にライバル店のどこをチェックすべきなのでしょうか?
基本的には、店舗の売上に関わる要因をすべてチェックします。
ただ、それだとあまりに時間がかかりすぎるため、以下の点を優先的にチェックするように心掛けましょう。

 

・業種、業態
・店舗の広さ
・自身が開業する店舗からの距離
・客単価
・入店数、入店率
・客層
・立地優劣

 

○ライバル店の売上を把握する方法について

 

ライバル店の売上を把握することができれば、自身が開業する店舗において、どれくらいの売上を達成すべきなのかという目安になります。
ライバル店の売上を把握する方法には、以下のような方法があります。

来客数を数える
ライバル店における、開店から閉店までの来客数をカウントします。
すでに客単価を把握している状況であれば、客単価に来客数をかけることで、ある程度の売上を把握することができます。

 

・レシートをチェックする
ライバル店のレシートに“通し番号”が記載されている場合、開店直後と閉店間際に来店すれば、わざわざカウントしなくても、ある程度の来客数を把握することができます。
ただこの場合、来客数ではなく“組数”を把握することになるため、情報の正確性は少し下がります。

 

・本部に問い合わせる
ライバル店となる店舗がチェーン店である場合、本部に問い合わせることで、売上を把握できる可能性もあります。
またフランチャイズの本部では、特定店舗の売上を公表していることもあります。
そのデータがあれば、ライバル店となる店舗の推定売上を導き出すことは可能です。

 

○まとめ

 

店舗開業の前に行うライバル店のチェックについて解説しましたが、いかがでしたか?
カフェのライバルはカフェ、居酒屋のライバルは居酒屋という風に考えていた方は、これを機会に考えを改めましょう。
ライバル店のチェックを適切に行わないと、オープン直後からいきなり経営に苦しむ可能性もあります。
良いスタートダッシュを切らなければ、オープン直後の経済的に苦しい時期を乗り越えるのは難しいでしょう。