“重飲食”の開業が難しい理由について

2019年08月05日

重飲食

飲食店にはさまざまな業態がありますが、大きく“重飲食”と“軽飲食”の2つに分けられます。
またこれらのうち、重飲食の開業は軽飲食の開業よりも難しいと言われています。
では、重飲食の開業が難しい理由には、一体どんなことが挙げられるのでしょうか?
重飲食の概要と併せて解説します。


○“重飲食”の概要

 

重飲食とは、簡単に言うと“調理の際に煙や臭いが出やすく、大がかりな排気設備、排煙設備が必要な業態”のことを指します。
具体的には、中華料理店や焼肉店、居酒屋などが挙げられます。
これに対し、“調理の際に煙や臭いが出にくく、一般的な給水設備、排水設備があれば経営できる業態”のことを“軽飲食”と言います。
カフェ、バーなどが軽飲食に該当します。

 

○重飲食の開業が難しい理由は?

 

店舗物件の広告には、開業可能な飲食店の業態について記載されています。
ただ広告を見ていると、“重飲食不可”と書かれている店舗物件、つまり重飲食は開業できない店舗物件が非常に多く見られます。
これが、重飲食の開業が難しい理由です。
ではなぜ、重飲食不可の店舗物件が多いのでしょうか?

 

○重飲食不可の店舗物件が多い理由①必要な設備がない物件が多い

 

重飲食不可の店舗物件が多い理由の1つに、必要な設備がない物件が多いということが挙げられます。
先ほど解説したように、重飲食を開業する場合は、大がかりな排気、排煙設備が必要となります。
これらの設備がない物件で重飲食を開業してしまうと、煙や臭い、熱気が建物内にこもってしまい、経営に支障をきたす可能性があります。
したがってこのような物件は、最初から重飲食不可となっているケースが多いです。

 

○重飲食不可の店舗物件が多い理由②近隣トラブルの発生に繋がりやすい

 

近隣トラブルの発生に繋がりやすいというのも、重飲食不可の店舗物件が多い理由の1つです。
店舗物件の中には、上層階が居住用の物件になっているものも非常に多いです。
ただ、このような物件で重飲食を開業してしまうと、上層階の住人から煙、臭いなどに関する苦情が出やすくなります。
それがトラブルに繋がることを避けるため、そのような物件では最初から重飲食が開業できなくなっていることが多いです。

 

○重飲食不可の店舗物件が多い理由③建物に負担がかかりやすい

 

重飲食不可の店舗物件が多い理由には、建物に負担がかかりやすいということも挙げられます。
何度も言うように、重飲食を開業するためには、大規模な排気、排煙設備が必要不可欠です。
ただ、そのような設備を整えるためには、建物の躯体に穴を開ける必要があり、設備を整えることによって、建物に荷重による負荷がかかることになります。
また煙や臭いが出やすいため、臭いや汚れが建物に付きやすくなり、それによって物件のオーナーは、次回の入居者がなかなか決まらないリスクを抱えることになります。
このリスクを回避したいオーナーは多く、それが重飲食不可の店舗物件が多い理由の1つとなっています。

重飲食不可の店舗物件が多い理由④建物の景観が損なわれる場合がある
例えば居酒屋など、重飲食の中には煌びやかな看板、装飾を施すことが多い店舗もあります。
ただこれらの看板や装飾によって、建物の景観が損なわれると感じるオーナーも少なからず存在します。
したがって、比較的閑静なエリアにある店舗物件では、このような理由で重飲食不可としているケースもあります。

 

○まとめ

 

重飲食の概要、重飲食の開業が難しい理由について解説しましたが、いかがでしたか?
重飲食の開業が可能な物件はあまり多くないため、1つの物件に複数の契約希望者が殺到するというケースも少なくありません。
したがって、もし重飲食の開業が可能で、なおかつ希望条件をある程度満たしている店舗物件が見つかった場合は、早めに内見や周辺調査などを行い、契約するか否かを判断しましょう。