飲食店を1年目で廃業させないためには?

2019年09月10日

廃業

飲食店のおよそ50%は、開業してから2年以内に廃業すると言われています。
また、その中には、当然開業したその年に廃業する飲食店もあります。
では、飲食店を1年目で廃業させないために、オーナーはどのような対策を取るべきなのでしょうか?
具体的な対策を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

 

〇飲食店を1年目で廃業させないための対策①料理の提供スピードを早める

 

飲食店の開業直後には、必ずと言っていいほど、“料理の提供スピードが遅れる”という壁にぶつかります。
開業直後は、多くの来客が訪れることを想定し、スタッフを多めに配置するなどの工夫をするのが一般的ですが、なにしろこれまでのデータがないため、予想よりも多くの来客が訪れることも少なくありません。
場合によっては、開業直後、料理の提供に20分以上を要してしまう飲食店もあります。
最初は目をつぶってくれる来客も多いですが、リピーターを獲得するためには、必ず料理の提供スピードを早めなければいけません。
そのためには、まず飲食店を開業する前に、しっかりシミュレーションしておくことが大切です。
また、開業直後、たまにしかオーダーが入らないメニューで手間取るものがある場合は、思い切ってレギュラーメニューから除外することも考えなければいけません。
それでも思ったように料理の提供スピードが上がらない場合は、無料で先に小鉢などを提供するなどし、来客のストレスを減らす工夫をしましょう。

 

〇飲食店を1年目で廃業させないための対策②適切な仕入れを行う

 

飲食店を1年目で廃業させないためには、適切な仕入れを行うことも重要です。
適切な仕入れをすれば、材料の廃棄量やチャンスロスを減らし、効率的に売上を増やすことができるためです。
月初めに仕入れ量の予想をし、月末に結果と照らし合わせることで、仕入れの精度を上げることができ、予想をする際は、主に“カレンダー”、“天気予報”、“イベント”という3つの要素を活用します。
例えば、カレンダーを活用すれば、給料日であることが多い“五十日”の前と後、盆前の8月前半と盆明けの8月後半などにおいて、仕入れ量が変わることが予想できます。
また、天気予報を活用する場合、悪天候の日に仕入れ量が減ることが予想できますし、イベントの有無を確認すれば、そのイベントの影響で仕入れ量が増えることが予想できます。
ちなみに、サッカーのワールドカップや野球のWBCなど、特に盛り上げるイベントがその月にある場合は、店内のテレビで放送するなどの工夫をすることで、集客アップを狙えますし、それに合わせて仕入れ量をさらに増やせます。

 

〇飲食店を1年目で廃業させないための対策③開業直後にメニューを増やしすぎない

 

飲食店を1年目で廃業させないためには、開業直後にメニューを増やしすぎないことも大切です。
先ほど、たまにオーダーが入らないメニューで手間取るものがあれば、メニューから除外することも検討すべきだという話をしました。
また、たまにしかオーダーが入らないメニューには、手間取るという問題点に加え、“廃棄を生みやすい”という問題点もあります。
つまり、あまりオーダーが入らないことによって、そのメニューのために仕入れている材料の賞味期限が切れやすくなってしまうということです。
これを続けていると、飲食店の売上は少しずつ目減りしていき、最終的には1年目で廃業してしまうことも考えられます。
開業直後に多くのメニューで勝負したい気持ちは分かりますが、それが利益を圧迫するかもしれないという事実を念頭に置いておきましょう。

 

〇まとめ

 

ここまで、飲食店を1年目で廃業させないための具体的な対策について解説しました。
飲食店が廃業しやすい理由には、もちろん競争が激しいということもありますが、今回解説したような対策が取れていないオーナーが多いというのも理由の1つでしょう。
開業前、または開業直後から、さまざまなシミュレーションや分析を重ねなければ、長く続く飲食店は完成しません。