開業時に必要な事業計画書の正しい書き方

2019年10月02日

事業計画書

金融機関から飲食店の開業に伴う融資を受ける場合は、“事業計画書”を作成する必要があります。
また、金融機関は、事業計画書をチェックして、最終的に融資額を決定するため、事業計画書の内容を良いものにすることはとても重要です。
今回は、そんな開業に伴う融資に必要な事業計画書の正しい書き方について解説します。

 

〇開業時に必要な事業計画書の正しい書き方①経歴

 

事業計画書には、これから飲食店を開業する自身の経歴を記載します。
しかし、これまで10年以上飲食店を経営してきた方と、これから初めて飲食店を開業する方では、前者の方が圧倒的に評価は高くなりそうですよね。
ただ、たとえこれから初めて飲食店を開業する場合でも、書き方を工夫すれば、金融機関に良い印象を持ってもらうことができます。
例えば、“チェーン店のキッチンで2年アルバイトをし、その後イタリアンレストランで1年間店長を務めた”という経歴がある方は、以下のように書き方を変えることで、より良い印象を与えられるでしょう。

“チェーン店の厨房で、2年間イタリアンの調理修行をし、その後高級イタリアンレストランマネージャーを1年間務めた”

 

〇開業時に必要な事業計画書の正しい書き方②コンセプト

 

事業計画書には、これから開業する飲食店のコンセプトも記載します。
コンセプトは、なぜその業態を選び、開業することになったのかを伝える重要な部分であり、金融機関に良い印象を持ってもらうためには、“ストーリー性”を重視した書き方を意識する必要があります。
例えば、“福岡の素晴らしい食材に出会い、この食材をもっとも美味しい状態で提供できる料理を考えたときに、辿り着いたのが創作イタリアンでした。”
このような書き方をすれば、開業に至るまでのストーリーが見えますよね。
逆に、“5年間飲食業界に身を置いていましたが、今回フレンチレストランで独立することを決心しました。”
この文章の場合、なぜフレンチレストランでの独立を決めたのかという記述がないため、あまり良い印象を与えられません。

 

〇開業時に必要な事業計画書の正しい書き方③メニュー

 

事業計画書には、これから開業する飲食店で、どのようなメニューを提供するのかについても記載します。
この部分に、“海鮮料理を中心に1品500円~1,000円”など、あっさりした内容だけを記載して提出する方がいますが、これは非常にもったいないです。
金融機関に良い印象を持ってもらうには、価格だけでなく、その飲食店の看板メニューの写真を付属資料として用意し、それと併せて、こだわっている素材の説明、さらには調理方法なども記載すべきでしょう。

 

〇開業時に必要な事業計画書の正しい書き方④店舗のイメージ

 

店舗のイメージは、事業計画書の付属資料として用意します。
ネット上にある複数の飲食店の写真から、自身がイメージしているものに近い写真をピックアップし、外装や庇、内装など、さまざまなテーマに分けて並べるとわかりやすいでしょう。

 

〇開業時に必要な事業計画書の正しい書き方⑤収支計画

 

事業計画書では、飲食店を開業したいという強い想い、またはこれから開業する飲食店の魅力を伝えるだけでなく、しっかり計算して立てられた収支計画も記載する必要があります。
収支計画の詳しい書き方については、とても長くなるため今回は割愛しますが、作成した後は、“このように、融資を受けても問題なく返済できます”といった旨を記載すると効果的です。

 

〇まとめ

 

ここまで、飲食店の開業に伴う融資に必要な“事業計画書”の正しい書き方について解説しました。
金融機関は、債務者が返済不可能になるリスクを極力避けたいと考えるため、信頼できない融資希望者には、多くの金額を融資してくれません。
したがって、まずは自身の中で、これまでの経歴やコンセプト、伝えたい魅力を洗い出し、根拠のある収支計画を立てるところから始めましょう。