飲食店における火事の原因と対策について

2019年10月08日

火事

飲食店は、数ある業態の中でも、もっとも火事が起こりやすい業態と言っても過言ではありません。
したがって、これから飲食店を開業するのであれば、どんな原因で火事が起こるのか、火事を防ぐにはどうすればいいのかについて、把握しておくべきだと言えます。
すでに飲食店を開業している方も、ぜひ参考にしてください。

 

〇飲食店における火事の原因トップ3

 

まずは、飲食店における火事の原因トップ3を見ていきましょう。

第3位:ガス等への引火
飲食店における火事の原因第3位は、ガス等への引火です。
これは、飲食店で発生する火事原因全体の6%を占めています。
具体的には、鍋の水などが吹きこぼれることによって、コンロの火が消え、そのまま出続けている状態のガスに、他の調理器具の火が引火してしまうというような状況を指します。

第2位:過熱
飲食店における火事の原因第2位は、調理器具の過熱です。
この原因は、全体の13%を占めており、具体的には、揚げ物の調理器具が熱くなりすぎることにより、油に引火してしまうというケースのことを指します。
1度油に火が引火してしまうと、消し止めることはなかなか難しいため、とても危険です。

第1位:放置
飲食店における火事の原因第1位は、ずばり火や油の放置です。
これは、実に飲食店における火事原因全体の50%以上を占めています。
また、これには単に放置した場合だけでなく、火を付けていること、油を熱していることを忘れていた場合も含まれます。
火を付けたり、油を熱したりしたままその場を離れ、戻ってきたら火の手が上がっているというケースですね。

 

〇飲食店における火事への対策とは?

 

飲食店では、上記のようなことが原因の火事を防ぐために、以下のような対策を取るようにしましょう。

①安全装置の導入
家庭用のものとは違い、シンプルさと耐久性が求められる業務用の厨房器具には、故障しやすいと思われている余分な装置は実装しない傾向があります。
そのため、点火ミスや吹きこぼれで火が消えると、自動的にガスが止まる仕組みになっている装置や、油が熱くなりすぎるのを防止する装置などは、付いていないものが主流でした。
ただ、近年は、これらの安全装置が実装された厨房機器が、あらゆるメーカーから販売されるようになっています。
したがって、これから飲食店を開業する方は、できる限り多くの安全装置が付いた厨房器具を揃えるべきだと言えます。
また、すでに飲食店を開業している方も、厨房機器を入れ替える際には、安全装置の導入を検討することをおすすめします。

②従業員への指導
飲食店で働く従業員のおよそ8割は、アルバイトだと言われています。
そんな中で、コンロやその他の調理器具における取扱方法、危険性の認識不足が、飲食店における火事の大きな原因となっていることが、何度も指摘されています。
そのため、飲食店を経営する方は、アルバイトも含む全従業員に対して、厨房器具の取扱マニュアルや火事の危険性を周知させ、防火に関する注意事項の設定などを行うようにしましょう。
また、飲食店の壁や床、ダクトなどの清掃が不十分である場合、火事が発生したときの延焼スピードは早くなり、被害範囲も大きくなってしまいます。
したがって、上記のような従業員指導と併せて、定期清掃のマニュアル、フローチャートも作成し、きっちり従業員に実行させることも大切です。

 

〇まとめ

 

ここまで、飲食店の火事における原因、対策について解説してきました。
開業したばかりの飲食店は、場合によっては、一時的にかなり多くの来客が訪れることが予想されるため、忙しいことが原因で、今回解説したような火の消し忘れなどが起こりやすくなります。
やっとの思いで開業した飲食店において、いきなり火事を発生させてしまわないように、開業前からしっかりと対策を取っておくようにしましょう。