飲食店における地震への備えと対応

2019年11月07日

地震大国とも呼ばれている日本の飲食店において、地震への備えをすること、または地震が起こった際の対応について考えることは、とても重要です。
今回は、具体的に飲食店がどのような地震への備えをしておくべきなのか、そして地震や停電が起こったとき、どのように行動するべきなのかについて解説します。


〇飲食店における地震への備えについて

 

飲食店がしておくべき地震への備えには、主に以下のようなことが挙げられます。

①物が落下しないようにしておく
飲食店で地震が発生した場合、落下するものが多くあると、従業員や来客がケガをする可能性が高くなります。
そのため、客席付近にあるもので、なおかつ座席より高い位置にあるもの(絵画など)は、地震が起きても落下しないように固定しておくべきです。

②棚には扉、ラッチを付ける
規模が大きくない飲食店には、厨房の高い位置に食器などを収納しているところもあります。
また、使い勝手を重視して、棚に扉を付けていない飲食店もよく見られますが、できればこれは避けるようにしましょう。
理想的なのは、しっかり扉やラッチが付いており、地震が起きても物が飛び出してこない棚です。

 

〇飲食店で地震が起こったときの対応について

 

では、飲食店で実際に地震が起こったときは、どのように対応すべきなのでしょうか?

①ガスの元栓を閉める
飲食店において、地震の揺れを感じた際は、ただちに調理を止めて火を消し、ガスの元栓を閉めましょう。
近年は、大きな揺れを感じたとき、自動的にガスが止まるガスメーターも普及していますが、これは必ず知っておくべき対応です。

②すぐ店の外に出ない
飲食店において、地震の揺れを感じたとしても、すぐに店の外には出ないようにしましょう。
これは、地震時のマニュアルにも記載されていることですが、どれだけ大きな揺れであっても、主要振動は1分程度の場合がほとんどです。
そのため、すぐ外に出るのではなく、1分程度店の中で様子を見ましょう。

③来客を安全な場所に避難させる
もし、飲食店において、強い地震の揺れが継続する場合は、窓や照明などの下を避け、テーブルの下など、安全な場所に来客を避難させましょう。
店の外に出るのは、その後でも決して遅くはありません。
また、店の外に来客を誘導する際は、クッションなどで頭を守るように指示し、足元にガラスやコンクリートが散らばっている場合は、注意して進んでもらうようにしましょう。
もちろん、飲食店のオーナーや従業員が避難する場合も、同じような形を取ります。

 

〇飲食店で停電が起こったときの対応について

 

飲食店で地震が発生すると、それに伴って停電が発生することもあります。
では、停電時の対応には、一体どんなことが挙げられるでしょうか?

①誘導灯を使用する
飲食店において停電が発生した場合、来客には席に座ったまま待機してもらい、誘導灯を使用して、ひとまず落ち着いてもらいます。
ただ、誘導灯は飲食店の決められた場所に設置しておかなければいけません。

②設備のスイッチをオフにする
停電発生時には、必ず冷蔵庫や冷凍庫、フライヤー、エアコンなどの機器のスイッチをオフにしましょう。
そうしなければ、電気が復旧した際に過電流が流れ、機器類が故障してしまう可能性があります。

③食材が傷むのを防止する
停電すると、当然冷蔵庫や冷凍庫の電源もオフになります。
そのため、食材が傷まないような工夫をしなければいけません。
具体的には、複数の機器に収納されている食材をかき集め、製氷機の氷をビニール袋に小分けし、庫内に収納します。
こうすることで、2時間程度は食材が傷むのを防止できるでしょう。

 

〇まとめ

 

ここまで、飲食店における地震への備えについて、そして地震や停電発生時の対応について解説してきました。
飲食店において大きな地震が発生したときには、とにかく来客、従業員の命を守ることを優先しなければいけません。
ただ、小規模な地震の際や、停電が発生した際は、飲食店における設備や食材を守ることも考える必要があります。

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