満席時における飲食店の対応について

2019年12月02日

満席

飲食店において、“満席時の対応”はとても重要です。
なぜなら、満席という少し余裕がない状況になって初めて、飲食店の“接客”における真価が問われるためです。
今回は、満席時に料理が来るのを待つ来客、そして入店ができなかった来客への対応について、詳しく解説しましょう。

 

〇満席時における飲食店の正しい対応①料理が来るのを待つ来客への対応

 

それほど店内が混雑していない場合、優秀なホールスタッフは来客の様子をしっかりチェックし、オーダーが入りそうなときには目線を向け、空いたグラスや皿があれば、速やかに下げに行くことができます。
ただ、たとえ優秀なホールスタッフであっても、満席時には、なかなかそのような対応ができなくなります。
では、速やかに来客の要望に対応できない満席の状況で、来客の不満を減らし、飲食店のイメージを下げないためには、一体どうすればいいのでしょうか?
まず、必ず心掛けたいのが、“オーダーから提供までの時間がかかる料理を把握しておく”ということです。
また、それと同時に、“すぐに提供できる料理を把握しておく”ということも、忘れてはいけません。
これらのことを把握しておけば、時間がかかる料理から先に調理し始め、1品目がなかなか来ないという状況を防げます。
逆に、時間がかかる料理を先に提供してしまうと、1品目がなかなか来ないだけでなく、その後に時間がかからない料理が続々と運ばれてくることになるため、テーブルに乗りきらない可能性もあります。
もちろん、“ドリンクのオーダーを優先する”ということも大事です。
例えば、居酒屋などであれば、料理よりもまず乾杯をしたいという方が大半であり、多少料理に時間がかかったとしても、ドリンクの提供を途切れさせないことで、良い印象を持ってもらえるでしょう。

 

〇満席時における飲食店の正しい対応②入店できなかった来客への対応

 

満席で飲食店が混雑している場合、予約なしで訪れた来客などが入店できないという状況も出てきます。
このような場合、飲食店はまず、来客にどれくらいの時間で空席が出るかを伝えます。
ただ、団体客が一度に入店した直後など、どれくらいで空席が出るかが予想しにくい場合は、正直に“お席に空きが出来次第のご案内となります”と伝えましょう。
また、そのとき、“空席が出るまで待ちます”と来客から返答があった場合は、それまで自由に行動してもらうために、空席が出来次第、電話をするようにしましょう。
そうすれば、入店できなかった来客を、店先や待合席に長時間拘束することはなくなります。
そして、入店できなかった来客への対応として、もう1つ有効なのが、“レインチェック”の発行です。
レインチェックとは、飲食店において、来客が入店できなかった際や、店舗において、商品が売り切れてしまっている際、そのお詫びとして、来客に手渡すいわば“サービス券”のようなものを言います。
元々は、アメリカにおいて、野球の試合が悪天候などで中止になった際に、観客に配られていた再戦チケットのことを指しており、これが名前の由来になっています。
これを飲食店で利用する場合、満席で入店できなかった来客に対して、割引券やドリンク1杯無料券などを手渡します。
そうすることで、「また空いているときに来よう」と思ってもらいやすくなるでしょう。
これは、来店する度にスタンプを押すカードよりも、即効性のある戦略だと言えます。

 

〇まとめ

 

ここまで、満席時における飲食店の対応について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
冒頭で触れたように、満席時の飲食店の対応は、その飲食店の真の姿であり、その飲食店の評価を左右するとても重要なものです。
そのため、普段から来客のことを最優先に考え、満席時に実践できるように、飲食店全体でシミュレーションしておくことも重要だと言えます。