飲食店における“待ち時間”について

2019年12月27日

待ち時間

飲食店を経営するにあたって、“待ち時間”について考えることは、とても重要です。
では、来客が我慢できる待ち時間は、一体どれくらいなのでしょうか?
また、どうしても待ち時間を短縮できない場合、飲食店はどのような工夫をするべきなのでしょうか?
詳しく解説しましょう。

 

〇飲食店のランチタイムにおいて、来客が我慢できる待ち時間

 

ランチタイムには、昼休みの限られた時間を使って訪れる来客も増加します。
そのため、空室が出るまでの待ち時間、注文から料理提供までの待ち時間のいずれも、それほど我慢できないという来客は多いです。
具体的には、いずれも10分程度が限界という方が多いとされています。
例えば、職場から飲食店まで歩くのに5分かかり、空席が出るまで10分、注文から料理提供まで10分かかると、それだけで25分が経過することになります。
そこからゆっくり料理を食べることを考えると、これくらいしか我慢できなくても無理はありません。

 

〇飲食店全体において、来客が我慢できる待ち時間

 

では、ランチタイムに限らず、すべての飲食店の全時間帯において、来客が我慢できる待ち時間は、一体どれくらいなのでしょうか?
あるアンケートでは、「10分が限界」と回答した方が全体の35%、「20分が限界」と答えた方が全体の70%以上であることがわかっています。
つまり、ランチタイムの飲食店においては、わずかな時間しか待てない方が多いですが、全時間帯で見てみると、20分までは待てる方が大半を占めているということです。

 

〇ファミレスにおいて、来客が我慢できる待ち時間

 

飲食店の中でも、ファミレスは注文から料理提供までの時間が迅速なイメージがありますよね。
また、そんなファミレスにおいて、来客が我慢できる注文から料理提供までの待ち時間は、10~15分とされています。
某ファミレスには、注文から料理提供まで、15分以上来客を待たせてしまった場合、「お待たせして申し訳ありません」と、丁寧に謝罪するというマニュアルが存在するそうです。

 

〇どうしても待ち時間を短縮できない飲食店がすべき工夫

 

迅速に作業を行うように心掛けているにも関わらず、どうしても待ち時間を短縮できない飲食店は、以下のような工夫をしましょう。

 

①待ち時間を伝える
飲食店において、注文から料理提供までの待ち時間が短縮できないという場合は、注文を取る際に、どれくらい待ち時間があるのかを伝えましょう。
これは、決して待ち時間を短縮できる工夫ではありませんが、あらかじめ待ち時間を伝えることで、来客のストレスは軽減できます。
また、待ち時間が長くなることをこの段階で伝えれば、もっと早く提供できる別メニューを注文してもらうこともできます。

 

②ゼットの法則を活用する
“ゼットの法則”とは、来客が飲食店のメニューブックを見る際、左上から右端、下段の左端から右端という風に、アルファベットのZの形で目を通す習性があるという法則のことを言います。
多くの飲食店は、自店にとっての利益が大きくなるメニューを、メニューブックの左上から順番に掲載します。
なぜなら、その方が来客の目に付きやすく、注文が入りやすくなるためです。
また、この法則は、飲食店における待ち時間を短縮するための工夫としても活用できます。
つまり、メニューブックの左上から順番に、早く提供できるメニューを掲載していくことで、待ち時間のストレスを感じる来客が減少するという仕組みです。

 

〇まとめ

 

ここまで、飲食店における待ち時間について解説しましたが、いかがでしたか?
待ち時間が長い飲食店は、リピーターが減ってしまうだけでなく、同じ来客に追加で注文される機会も減少します。
つまり、売上アップのチャンスをことごとく逃してしまうということですね。
そのため、あらゆる工夫を凝らし、待ち時間を短くしたり、来客における待ち時間のストレスを減らしたりしなければいけません。