飲食店が資金繰りに苦労する前にすべきこと

2020年01月31日

資金繰り

飲食店には、あらゆる形のキャッシュフローがあります。
そのため、さまざまな角度から対策を取っておかないと、すぐ資金繰りに苦労してしまい、このような飲食店が早期閉店に追い込まれやすくなります。
ここからは、飲食店が資金繰りに苦労する前にすべきことを3つほどお教えしましょう。


○飲食店が資金繰りに苦労する前にすべきこと①お金のサイクルについて知る

 

飲食店は、卸業者に依頼し、調理に必要な食材を仕入れます。
また、卸業者に支払う注文費用は、1回の注文ごとではなく、週単位あるいは月単位で支払われるのが一般的です。
そのため、注文時点で資金に余裕がなくても、精算時点で余裕があると判断できる場合は、ある程度注文を多めに発注することも可能なわけです。
ただ、クレジットカード決済を導入している飲食店の場合、現金とは違い、売上の一部が少し遅れて入ってくることがあります。
その場で来客からお金をもらえるわけではありませんからね。
つまり、クレジット決済を導入している飲食店では、思ったより資金に余裕ができず、注文費用の支払いが厳しくなってしまう可能性があるということです。
飲食店が資金繰りに苦労しないためには、まずこのような飲食店独特の”お金のサイクル“を熟知しておきましょう。

 

○飲食店が資金繰りに苦労する前にすべきこと②入金と支払いを可視化する

 

先ほども触れたように、飲食店においては、支払いと入金のタイミングがバラバラになり、資金繰りに苦しむということが起こり得ます。
そのため、入金と支払いを可視化することも、非常に大切だと言えるでしょう。
例えば、縦軸に日付、横軸に支払いと入金のマスを用意し、毎日どれくらいの支払い、入金があったかを記入していく方法はおすすめです。
また、クレジットカード決済分の売上は、その日ではなく、カード代行会社から入金される日に記入します。
これだととてもわかりやすいですし、支払日の直前になって焦ることも少なくなると予想されるため、アナログな方法ではありますが、実践する価値はあるでしょう。

 

○飲食店が資金繰りに苦労する前にすべきこと③利益が出ているかどうかを確認する

 

飲食店が資金繰りに苦労しないようにするには、こまめに利益が出ているかどうか確認することも大切です。
具体的には、特定月以外に、安定して利益が出ているかどうかの確認ですね。
年末年始や歓迎会シーズンなどは、基本的に飲食店の売上がアップします。
一方、年始の騒がしさが落ち着いた2月や、盆休みがある8月などは、総じて飲食店の売上が落ちやすいとされています。
ただ、上記のような特定月以外の売上に関しては、安定しているかどうかの判断がしにくいため、“FL比率”という指標を使って弾き出します。
FL比率とは、Food(原価、材料費)、Labor(人件費)の合計を売上高で割ったものであり、これが50~60%程度になっている場合は、ある程度安定した利益が出ていると判断できます。
逆に、これが毎月のように60%を超えるような状態は要注意だと言えるでしょう。
FL比率は、廃棄率が高かったり、メニューが安すぎたり、人件費がかかりすぎたりしていることで上昇しますので、そこを改善しなければ、飲食店は資金繰りに困るでしょう。
ちなみに、FL比率は、原価や材料費、人件費の合計を売上高で割った数字であるため、単純に売上が出ていない(来客数が少ない)飲食店でも上がりやすくなります。

 

○まとめ

 

ここまで、飲食店が資金繰りに苦労する前にすべき3つのこと3つほど解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
今回解説したことは、決して難しいことではありません。
むしろ、飲食店を長く経営したいのであれば、これくらいのことはやって当たり前だと言えます。
そのため、当然手間や時間はかかりますが、経営者である以上、怠らずに実践するようにしましょう。