飲食店が意識すべき“QSC”について

2020年02月14日

飲食店のテーブル

開業したての飲食店は、まず固定客を獲得するための取り組みを行う必要があります。
その取り組みの1つが、“QSC”を意識した経営です。
今回は、飲食店が意識すべきQSCについて、細かく解説したいと思います。
開業直後の多忙な時期を終え、焦りを感じているという飲食店の方も、ぜひ参考にしてください。


○QSCって何?

 

飲食店が意識すべきQSCとは、“Quality(品質)”、“Service(サービス)”、“Cleanliness(清潔さ)”の頭文字を取ったものであり、繁盛する飲食店の多くが意識している仕組みのことを言います。
つまり、適切な品質管理、来客のことを考えたサービス、店内の清潔さ維持に注力した経営をしている飲食店は、繁盛店になれるということです。


○Quality(品質)について

 

元々、QSCを構成する1つの要素であるQualityは、チェーン店において、“どの店舗でも同じ味、同じ盛り付けにする”という意味の言葉でしたが、現在は少しその意味合いが変わっています。
1つ目の意味は、“プロセス”における品質管理です。
飲食店は、各メニューを常に同じ味、同じ量で提供しなければいけません。
つまり、「今日は味が薄い」「今日は量が少ない」ということになってはいけないということですね。
また、そのためには材料の品質、調理手順、調味料の配分、加熱時間など、プロセスのすべてをマニュアル化する必要があります。
2つ目の意味は、“出来上がった料理”における品質管理です。
出来上がった料理も、常に同じ状態でないといけません。
例えば、盛り付けなどは常に一定にして提供できるように、提供前には毎回細かくチェックする必要があります。

 

○Service(サービス)について

 

飲食店が意識すべきServiceとは、主に“料理の提供時間短縮”、“ホスピタリティーの提供”を指しています。
まず、料理を注文してから提供されるまでの時間は、短ければ短いほど良いとされています。
逆に、15~20分を超えてしまうと、多くの来客はストレスを感じてしまいます。
もちろん、飲食店は提供時間を短縮するだけでなく、先ほど解説したQualityも並行して意識しなければいけません。
また、ホスピタリティーとは、“思いやり”や“心のこもったおもてなし”、“歓待”のことをいい、飲食店においては、笑顔や明るい声などでホスピタリティーを提供できます。
やはりスタッフの印象が良い方が、料理もより美味しく見えます。

 

○Cleanliness(清潔さ)について

 

飲食店が意識すべきCleanlinessは、特に来客の目に見える場所において意識すべきです。
例えば、客席や床はもちろんのこと、玄関マットやトイレなどの清掃も怠ってはいけません。
上記のCleanlinessが徹底されていない飲食店は、早期閉店する可能性が高いと言われています。
ただ、飲食店は意識しているつもりでも、汚れは少しずつ蓄積されていくものです。
そのため、毎回どの程度まで綺麗にするのかという基準を設けておくことは、とても大事だと言えるでしょう。
例えば、飲食店開業時に店内や出入口付近の写真を撮っておき、常にその状態に近づけるような清掃を心掛ければ、そこまで汚れてしまう心配はありません。
また、もっと具体的に、「〇〇くらいまで」と言葉で基準を設けておくのも効果的です。
例えば、ホテルにおけるトイレの清掃基準には、「素手で便器が触れるくらいまで」といった具体的なものがあります。
ここまで綺麗にしなければいけないとは言いませんが、似たような基準を設けておけば、常に綺麗な状態で来客を招き入れることができるでしょう。

 

○まとめ

 

ここまで、飲食店が意識すべきQSCについて細かく解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
QSCを1つも欠かさず意識すれば、繁盛店になれる可能性は高いでしょう。
逆に、「味が良いから接客は適当でもいい」、「清潔で雰囲気が良いから味は普遍的でいい」という風に考えていると、いつまでも固定客を獲得できず、1年以内に早期閉店してしまう可能性も高まるため、注意してください