飲食店におけるサブスクの種類やメリット
2020年03月03日
近年飲食店では、“サブスク”を導入するところが増えています。
これは、飲食店経営における戦略の1つであり、来客にとっても経営者にとってもメリットのあるものです。
ここからは、飲食店におけるサブスクの概要、種類、経営者側のメリットなどについて解説しますので、ぜひご覧ください。
○サブスクの概要
サブスクとは“サブスクリプション(Subscription)”のことをいい、元々は雑誌等の“定期購読”を指していました。
ただ、近年は商品やサービスの“利用期間”に対する料金形態の1つとなっており、あらゆるジャンルで導入されています。
また、それは飲食店も例外ではなく、大手焼肉チェーンである“牛角”や、ラーメンチェーンである“野郎ラーメン”などで導入され、大きな話題となりました。
○サブスクの種類について
飲食店でも導入されているサブスクには、主に3つの種類があります。
それぞれ詳しく解説していきましょう。
① 割引定期券
少額の月額料金・年会費を支払うことで、飲食店において、毎日会計が割引されたり、期間中トッピングが無料になったりする方式です。
② 会員制
月額料金や年会費を支払って会員になることで、通常価格とは異なる価格で料理が食べられるといった特典を受けられる方式です。
③ 定額利用し放題
月額料金や年会費を支払うことで、特定のメニューを何度でも食べられる方式です。
飲食店のサブスクと言えば、この方式がもっとも一般的なものと認識されています。
○サブスクにおける経営者側のメリットは?
飲食店はサブスクを導入することで、毎月ある程度安定した利益を得ることができます。
飲食店は、季節や天気に大きく客足を左右される業種です。
したがって、そのような影響を少しでも減らすことは重要なのです。
また、飲食店がサブスクを導入すれば、固定客の獲得にも繋がります。
特に定額利用し放題のサブスクは、来客にとって来店しなければ損になるものであるため、そのような方が固定客になる可能性は高いでしょう。
もちろん、固定客が獲得できれば、そこから新たに新規顧客を獲得できる可能性も広がり、うまくいけば安定した利益を一気に増やすこともできます。
○サブスクにデメリットはあるのか?
飲食店にとって多くのメリットがあるサブスクにも、当然デメリットはあります。
定額利用し放題のサブスクの場合、定額以上に来客が利用するケースも考えられます。
例えば、1杯700円のラーメンを提供する店舗が、1ヶ月8,000円でラーメン食べ放題のサブスクを導入したとしましょう。
このとき、月11回までの利用であれば問題ありませんが、仮に11回以上になってしまった場合、飲食店は損益分岐点をオーバーしてしまいます。
つまり、元が取れなくなるということですね。
そうなると、どこかで必ずそれをカバーする必要がありますし、サブスクのヘビーユーザーが増えすぎると、損失分はよりカバーするのが難しくなります。
また、お得感だけを重視し、料理の味を良くする努力を怠ってしまうと、店舗のブランディングが下がってしまう可能性があります。
「安いけど、味はそれほどでもない」と思われてしまうわけですね。
このような状況になり、なおかつ評判が広まってしまうと、新規顧客はなかなか訪れなくなり、サブスクを利用する方ばかりが来店するようになります。
もちろん、それでも味の良さが向上しない場合、サブスク利用者すら離れてしまうという最悪の事態に陥ります。
○まとめ
今回は、飲食店において広がりを見せているサブスクについて解説してきましたが、いかがでしたか?
サブスクは固定客や新規顧客を獲得するための戦略の1つですが、ただ単にお得さを追求すれば良いというわけではありません。
「この美味しさの料理が、このお得な価格で食べられる」ということをアピールすることが大事なのです。
そうしなければ、逆に飲食店を窮地に追い込んでしまうでしょう。