廃業の危機を免れた飲食店3つの事例

2020年03月12日

廃業

飲食店経営者の中には、繁盛の秘訣や成功者の体験談などを参考に、自身の店舗を作り上げていくという方も多いでしょう。
ただ、参考にすべきなのは、そのようなポジティブなものばかりではありません。
ここからは、実際廃業の危機を免れた3つの飲食店における事例を紹介しましょう。


○イタリアンレストラン経営者Aさんのケース

 

これは、廃業の危機を親族一丸となって乗り越えた飲食店の事例です。
Aさんは、とある関東圏の駅を出てすぐ正面の物件で、本格イタリアンレストランを経営していました。
また、Aさんは物件の内装工事を1から行ったことによって、都内の一等地にも引けを取らないほど綺麗な店舗を完成させ、開業当初は多くの来客が訪れました。
ただ、開業から2ヶ月程度経ったころから、急に客足が途絶え始めたのです。
しかも、その時点でAさんの借入残高は1,000万円以上残っていました。
もっと言えば、翌月のランニングコストを支払うと、資金ショートしてしまうほどの窮地に立たされていたのです。
しかし、それでもAさんは諦めず、資金ショートしそうな分だけ何とか親族に工面してもらい、苦しい時期を乗り越え、年末には忘年会等の需要で売上をプラスにまで持っていきました。
そして、来客からの要望で、見通しの悪かった入口をガラス張りに替えたところ、一気に来客が訪れるようになったのです。

 

○居酒屋経営者Sさんのケース

 

これは、廃業の危機を息子さんの機転で乗り切った飲食店の事例です。
都内で居酒屋を経営していたSさんは、立ち仕事をする方にとって非常に辛いヘルニアに苦しんでいたため、近いうちに廃業することを考えていました。
ただ、別の飲食店で勤務するSさんの息子さんが店舗の状態を確認したところ、まだそれほど老朽化してないことがわかったのです。
また、Sさんの息子さんには独立したいという願望があったため、どうにかBさんの生活費を確保しながら、経営を続ける案がないか模索しました。
そこで行き着いた答えが、Sさんの“業務委託”という形で、Sさんの息子さんが居酒屋を経営するという方法だったのです。
これにより、Sさんの居酒屋は廃業の危機を脱しただけでなく、Sさんの生活費は確保され、今でも繁盛店のまま経営され続けています。

 

○ラーメン店経営者Mさんのケース

 

これは、廃業に追い込まれた飲食店が、業態変換をすることでピンチを脱した事例です。
都内でラーメン店を経営するMさんは、大きな悩みを抱えていました。
それは、ランチの時間帯に店舗が繁盛するのに対し、それ以外の時間帯にはほとんど来客が訪れないという悩みでした。
特にディナータイムの集客に苦戦し、人気店ではあるものの売上が伸びず、このままでは廃業してしまうというところまで来てしまったのです。
ただ、Mさんはそれでも打開策を探し続け、ある日“ラーメンバル”という業態の店舗を発見しました。
この店舗では、夜の客単価を上げるためにアルコールメニューを増やし、通常より小さめのラーメンを1杯最後に食べてもらうような工夫がされていました。
Mさんはこのシステムに魅力を感じ、さっそく自身の店舗に取り入れた結果、徐々に来客の少なさをカバーできるようになってきたのです。
また、次第には「昼はラーメン屋、夜は居酒屋」というスタイルが話題を集め、苦戦していたディナータイムでも順番待ちが発生するほどの繁盛店となりました。

 

○まとめ

 

ここまで、廃業の危機を免れた飲食店の事例を3つ見ていただきましたが、いかがだったでしょうか?
たとえ廃業直前まで追い込まれても、工夫を凝らしたり、機転を利かしたりすることで、飲食店の経営は立て直すことができるのです。
もちろん、今回の事例のようにうまくいくケースはほんのわずかですが、飲食店経営者であれば、最後まで諦めないという強い精神力を持っておくべきだと言えます。