改正健康増進法に関するよくある質問

2020年03月27日

禁煙

2020年4月1日、いよいよ“改正健康増進法”が施行されます。

飲食店経営者の方は、これまである程度施行への対策を取ってきたかと思いますが、イマイチわからない部分がある方もいるでしょう。

したがって、今回は飲食店経営者の方によくある、改正健康増進法に関する質問に答えていきたいと思います。

 

○屋外の客席について

 

Q.屋外にテラス席を設置しているのですが、そこも改正健康増進法の規制対象になりますか?

 

A.改正健康増進法が規制しているのは、飲食店等の建物の屋内です。

したがって、原則屋外の客席に関しては、禁煙にする必要はありません。

ただ、屋外の客席を喫煙可にするのであれば、出入口や道路から少し距離を取って席を設けるなど、受動喫煙に対する配慮をする必要があります。

 

喫煙可の時間帯について

 

Q.ランチタイムを全席禁煙にして、ディナータイムを全席喫煙可にした場合、改正健康増進法上の扱いはどうなりますか?

 

A.たとえランチタイムとディナータイムで禁煙・喫煙可を分けたとしても、改正健康増進法上は“喫煙可能室を設置した”という扱いになります。

喫煙可能室とは、紙巻きタバコを吸いながら飲食ができる唯一の例外をいい、既存かつ小規模の飲食店のみが設置できるものです。

つまり、昼は禁煙、夜は喫煙というような体制にするのであれば、喫煙可能室の要件を満たしているかどうか、前もって確認しなければいけないということです。

 

規模の大きい店舗の対策について

 

Q.規模の大きい飲食店の場合、これまでのような形で喫煙を認めることはできないと聞きましたが、本当ですか?

 

A.結論から言うと本当です。

改正健康増進法が施行されれば、一定の規模を超える飲食店において、“飲食しながらタバコが吸える”というこれまでのような形での経営は認められなくなります。

既存の飲食店であれば、経過措置によって上記のような形態が認められる可能性はありますが、“資本金5,000万円以上の会社が経営する飲食店”、“客席の床面積が100㎡以上の飲食店”は、経過措置も受けられません。

そのような飲食店が喫煙を認めたい場合は、飲食不可の“喫煙専用室”、もしくは喫煙可の”加熱式タバコ専用喫煙室“を設置する必要があります。

 

電子タバコの規制について

 

Q.リキッド式の電子タバコは、改正健康増進法の規制対象になりますか?

 

A.リキッド式の電子タバコは、規制対象ではありません。

改正健康増進法で規制されているのは、紙巻きタバコと加熱式タバコのみです。

ちなみに、加熱式タバコと電子タバコの違いが明確ではないという方は、以下を参考にしてください。

 

タバコの葉 ニコチン 主な種類

加熱式タバコ 使用している 含まれている IQOS、glo、Ploom TECHなど

電子タバコ 使用していない 基本的に含まれていない DR.VAPE、Veco One、CALIBURNなど

 

○求人における注意点について

 

Q.改正健康増進法施行後、人材募集をするにあたって気を付けることはありますか?

 

A.もっとも気を付けなければいけないのが、未成年の求人を行う場合です。

改正健康増進法が施行された後は、飲食店における喫煙可能な場所に未成年が立ち入れなくなります。

これは、従業員も例外ではありません。

したがって、注意しなければ、未成年の従業員を採用したものの、業務を行わせることができない可能性もあります。

また、どのような受動喫煙防止策を取っているのかについて、労働条件に記載することも忘れてはいけません。

 

○まとめ

 

改正健康増進法が施行されることで、これまで飲食店におけるタバコ規制はガラッと変わります。

また、もし飲食店が違反してしまうと、保健所の指導を受けることになり、それでも改善がなければ罰則を受けることも考えられます。

したがって、経営者の方は、今一度規制の内容について再確認しておきましょう。

そうすれば、悪気なく知らず知らずのうちに違反していたということは防げるでしょう。