飲食店が“ワンオペ”を避けるべき理由

2020年04月07日

ワンオペ

数年前、某飲食チェーンで話題になって以降、マイナスなイメージがとても強くなった飲食店の“ワンオペ”。
では、飲食店のオーナーは、なぜワンオペを避けなければいけないのか、きちんと把握しているでしょうか?
ここからは、ワンオペの概要と避けるべき理由について解説します。


○ワンオペの概要

 

本来であれば複数人でないと回らないような業務を、1人の従業員で担当しなければならない状況を“ワンオペ”といいます。
“One Operation(ワンオペレーション)”の略ですね。
また、飲食店においては、単純に“従業員1人体制で勤務すること”を指す場合もあります。
つまり、極端に集客が少ない時間帯に限り、従業員1人が1人分の業務をこなすことも、ワンオペに含まれるということですね。
1人でこなせる程度の作業であれば、飲食店はワンオペを採用しても問題ないように感じますが、決してそんなことはありません。
一体どうしてでしょうか?

 

○飲食店はなぜワンオペを避けるべきなのか?

 

飲食店がワンオペを避けるべき1番の理由は、当然従業員の負担を大きくしてしまうことです。
ただ、先ほども触れたように、極端に集客が少ない時間帯で、なおかつ1人でこなせる程度の作業を任せる場合に関しては、それほど従業員の負担が大きくならないように感じます。
しかし、必ず同じ時間帯において、極端に集客が少ないとは限りません。
例えば、そのような時間に団体客が来店する可能性だってあります。
その場合、ワンオペで働く従業員の作業量は、1人で回せる量では済まないケースも当然出てきます。
また、もし上記のような状況になると、従業員だけでなく飲食店自体にも影響が及びます。
では、従業員の作業量が増えることが、どのように飲食店への悪影響に繋がるのかを見ていきましょう。

 

○オーダーを取りに行けなくなる

 

飲食店において、ワンオペで働く従業員の作業量が増えると、なかなかオーダーを取りに行けなくなります。
これにより、飲食店は“オーダーを取りに来ない店”というレッテルを貼られてしまうでしょう。
食事を楽しみにしている来客にとって、オーダーを取りに来ないことのストレスは計り知れないものがあります。

 

○ドリンク、料理の提供が遅れる

 

飲食店において、ワンオペで働く従業員の作業量が増えることで、当然ドリンクや料理の提供速度も遅くなります。
これは、顧客満足度を大きく下げることに繋がりますし、特にドリンクの提供速度が重要な居酒屋などでは、その場で大きなクレームが発生することも考えられます。
また、ワンオペの場合、クレームが発生してもなかなか対応できず、後々より大きなトラブルに発展してしまう可能性も否めません。

 

○来店に気づきにくくなる

 

飲食店においてワンオペで働く従業員は、作業量が増加することで、当然新しい客の来店にも気づきにくくなります。
つまり、来店しているにも関わらず挨拶がなかったり、席に誘導できなかったり、水やおしぼりを出せなかったりするということですね。
飲食店のイメージは、来店時の挨拶や従業員の対応が大きく影響するため、このような状況はあってはなりません。

 

○極端に来客が少ない時間帯の正しい人員配置

 

飲食店は、極端に来客が少ない時間帯があったとしても、ワンオペを採用してはいけません。
正しい人員配置としては、オーナーや別の従業員がバックヤード等で別の雑務などを行い、状況に応じてキッチン、ホールをサポートするという形が望ましいでしょう。
もしくは、その時間を思い切って中休みにするべきです。

 

○まとめ

 

飲食店のワンオペは、いまだに多くの店舗で見られます。
また、オーナー自身のワンオペであれば問題ないと考えている方もいるかもしれませんが、それは間違いです。
たとえ経験や技術のあるオーナーであっても、急に忙しくなると手が回らなくなりますし、サービスや対応も雑になってしまいます。
したがって、多少人件費がかかろうとも、営業時間は最低2人以上で業務を回すようにしましょう。