コロナ禍の飲食店におけるクレーム対応

2020年09月02日

クレーム対応

コロナ禍の真只中にいる飲食店では、ここ最近クレームが発生する機会が増えています。
これは、飲食店に限ったことではありませんが、自由に行動できない利用者・顧客のイライラが募り、それが爆発してしまうことが大きな理由です。
今回は、そんなコロナ禍の飲食店におけるクレーム対応について解説したいと思います。


〇飲食店のクレーム対応におけるマニュアル作り

 

コロナ禍の飲食店は、顧客のクレームに対応するために、まずマニュアル作りから始めましょう。
具体的には、オーナーが最悪の事態を想定し、店舗と従業員を守るための方針・対策を明確にすることが求められます。
間違っても、クレーム対応を現場の従業員に一任してはいけません。
なぜなら、今後コロナの影響で増えるかもしれないクレームに対し、その場しのぎで対応させると、店舗の評価が下がったり、業務が回らなかったりする可能性があるからです。
また、対応の仕方がわからない従業員を疲弊させてしまうことにも繋がります。
もちろん、飲食店が作成したクレームへの対応マニュアルは、従業員に周知させ、理解できないことはミーティングの場で質問してもらうことも大切です。

 

〇具体的なクレームへの対応方法について

 

コロナ禍の飲食店において、想定されるクレームはいくつかあります。
例えば、以下のようなクレームです。

・隣の客がマスクをせずに大きな声で話している
・咳やくしゃみが気になる
・混雑していて、密になっている

上2つのクレームに関しては、まず「申し訳ございません」と丁寧に謝罪をし、その後クレームの原因となっている顧客に対して、「飲食時以外は、マスクの着用をお願い致します」「大声での会話をお控えください」と伝えればOKです。
この際、顧客から言い返されることもありますが、もしそうなったとしても反論せず、「当店では感染予防を徹底し、保健所の指導のもとで対応しておりますので、ご理解ください」と伝えましょう。
こうすることで、丁寧かつキッパリとクレームを遮断することができます。
また、「混雑していて、密になっている」というクレームに対しては、こちらもまず謝罪をし、その後「窓に近いあちらの席はいかがでしょうか」といったように、別の席を提案するのも良いでしょう。

 

〇飲食店のクレーム予防策について

 

コロナ禍の飲食店は、なるべく顧客のクレームを発生させないような対策を取りましょう。
例えば、店内もしくはホームページ、SNSなどによって、店舗で行っているコロナ対策の詳細を告知しておくだけでも、大きなクレーム予防策になります。
実際オーナーが保健所に出向き、コロナ対策の指導を受け、その事実を証明するポスター等を掲示しておくのも効果的でしょう。
そして、飲食店のクレームを予防するには、常に従業員にレベルの高い接客を徹底させなければいけません。
これには、一般的な“良い接客”だけでなく、“コロナ対策を徹底した接客”も含まれています。
また、先ほどコロナ対策について、事前に従業員に周知させるのが重要という話をしましたが、従業員が勤務中、適切な対策について忘れてしまうことも考えられます。
そのような場合に備え、飲食店のオーナーは、コロナ対策における要点や、接客時のコツについて記載された名刺大のカードを作成し、従業員に携帯させておきましょう。
そうすれば、もし従業員が対応に困っても、マニュアルから逸脱することはありません。

 

〇まとめ

 

ただでさえ経営に苦しむ飲食店において、最近はクレームという新たな問題点が浮かび上がっています。
もちろん、経営で精一杯の飲食店にとって、顧客のクレームに対応するのは並大抵のことではありませんが、何とか穏便に事を納められるよう、一度事前準備と現場での行動について精査しましょう。
飲食店が一丸となって対応すれば、この苦境はいつか必ず乗り越えられます。