キッチンカー経営のメリット・デメリット

2020年11月06日

キッチンカー

近年、飲食店が新たな事業として、“キッチンカー”での営業を始めるケースが増えています。
では、一般的な店舗での飲食店経営ではなく、キッチンカーを経営することには、一体どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
キッチンカーの概要と併せて解説しましょう。

 

〇キッチンカーの概要

 

キッチンカーは、“移動販売車”の一種に数えられるものです。
一般的な移動販売車は、店舗以外の場所へ自転車、バイク、車などで商品を運び、それを販売するという小売業を指します。
移動するスーパーマーケットのようなイメージですね。
これに対し、食品の調理設備を備えた車両のことをキッチンカーといいます。
一般的な移動販売車が“移動するスーパーマーケット”なら、キッチンカーは“移動する飲食店”といったところですね。
皆さんにも馴染みのあるものでいうと、おでんやラーメンの屋台なども、立派なキッチンカーに該当します。

 

〇キッチンカーのメリットについて

 

飲食店がキッチンカーを経営することには、主に以下のようなメリットがあります。

 

・初期費用が安い
キッチンカーのメリットは、なんといっても“初期費用が安い”という点です。
店舗を借りて飲食店を開業する場合、初期費用は300~1,000万円程度かかると言われていますが、キッチンカーの場合は高くても500万円程度しかかかりません。
また、その理由としては、賃料を支払う必要がないこと、内装や設計に費用がかからないことなどが挙げられます。

 

・自ら集客できそうな場所に出向ける
キッチンカーのメリットとしては、“店舗自ら集客できそうな場所に出向ける”ということも挙げられます。
一般的な飲食店の場合、一度店舗を構えたら来客が訪れるまで待つしかありませんが、キッチンカーは車両で経営を行うため、こちらから利益を上げられそうなところに移動できます。

 

・規模拡大のスピードが早い
キッチンカーのメリットには、“規模拡大のスピードが早い”ということも挙げられます。
これは、初期費用が安い分、回収するまでの期間が短いことが理由です。
例えば、キッチンカーの台数を増やしたり、定期的に開催されるグルメイベントに出店したりすれば、より規模の拡大はしやすくなるでしょう。

 

・コロナ禍の影響を受けにくい
“コロナ禍の影響を受けにくい”というところも、キッチンカーのメリットの1つです。
キッチンカーの営業は主に屋外で行われますし、その多くがテイクアウトでの提供となるため、飲食の場としての“3密”を回避できます。
また、コロナの影響で店舗からキッチンカーに業態を移した場合、“小規模事業者持続化補助金”などの支援制度も使えます。

 

〇キッチンカーのデメリットについて

 

キッチンカーでの営業にはさまざまなメリットがありますが、当然デメリットもあります。
特に以下のデメリットについては、必ず把握しておきましょう。

 

・出店場所を確保するのが難しい
キッチンカーは、出店場所を確保するのが意外と難しいです。
人気のオフィス街などは、すでに他のキッチンカーに押さえられている可能性が高いですし、自ら移動できるとはいえ、保健所の許可を取らなければ、営業することはできません。

 

・固定客を獲得するのが難しい
キッチンカーは、固定客を獲得するのも難しい業態です。
なぜなら、通常の店舗で経営する飲食店と違い、決まった場所で決まった時間に営業できるとは限らないからです。
よって、キッチンカーで成功するためには、初見の方でも思わず購入したくなるような魅力的なメニュー、サービスが必要不可欠です。

 

〇まとめ

 

ここまで、キッチンカーという新たな業態におけるメリット・デメリットを見てきましたが、いかがでしたか?
少し売上が頭打ちなっている飲食店などは、思い切って導入を検討しても良いでしょう。
もちろん、キッチンカーにはキッチンカーならではの難しさもありますが、ある程度店舗で実績を残しているのであれば、話題性は大きくなることが予想されま