飲食店が開業直後から経営に苦しむ原因

2020年11月20日

開店

飲食店の中には、開業したばかりにもかかわらず、いきなり“来客が増えない”、“利益が出ない”という壁にぶつかるところもあります。
では、飲食店がそのような状況に陥ってしまう原因には、一体どんなことが挙げられるのでしょうか?
考えられる原因をいくつかピックアップして解説します。


○開業直後の宣伝活動が甘い

 

飲食店が開業直後から経営に苦しんでいる場合、宣伝活動が甘かったことが原因になっている可能性があります。
開業直後、飲食店は主にチラシ配りやポスティング、SNSでの情報発信などを行います。
しかし、これらの宣伝活動のおかげで、比較的早く多くの集客に成功したからといって、そこで気を抜いてはいけません。
上記の宣伝活動は、基本的に固定客を獲得できるまで続ける必要があります。
なぜなら、開業直後の来客が多いことには、宣伝活動の成果だけでなく、物珍しさや特別サービス実施の効果もプラスされるからです。

 

○ターゲットを絞っていない

 

ターゲットを絞っていない飲食店も、開業直後から経営に苦しむ可能性があります。
もちろん、誰しもが美味しいと感じるメニューを提供する飲食店が悪いというわけではありません。
ただ、ある程度ターゲットを絞った方が、固定客は獲得しやすくなります。
具体的には、ターゲットの性別、年齢を定め、メニューや内装、ディスプレイ、音楽、照度など、あらゆる角度から魅力的な飲食店を作り上げる必要があります。

 

○メニューが開業時のまま

 

飲食店が開業直後から経営に苦しむ場合、メニューが開業時のままになっていることも多いです。
より具体的にいうと、売れているメニュー、売れていないメニューを精査していないということです。
売れていないメニューを残したままにしておくと、無駄な仕入れや仕込みが経営を圧迫する原因になりますし、売れているメニューの足を思いっきり引っ張ってしまいます。
もちろん、時には季節限定のメニューなども採り入れなければ、定番メニューと新作メニュー、両方を楽しみたい来客の期待に応えることはできません。

 

○アルコールの提供方法がズボラ

 

アルコールの提供方法がズボラな飲食店も、開業直後から経営不振に陥る可能性があります。
例えば、720mlで1本6,500円のボトルがあるとします。
この場合、シングルで40mlなら、1本で18杯まで作ることができます。
また、これの提供価格を1杯800円に設定する場合、最終的には14,400円で売り切ることができ、単純計算で7,900円の利益が出ます。
しかし、1杯の量をしっかりと計っていない場合、1本で提供できる杯数が17杯になったり、16杯になったりする可能性もあります。
ボトル1本分でいうと、利益の違いはわずか800円、1,600円ですが、このボトルが月に10本、年に120本と出るようになると、利益にはかなりの違いが生じます。

 

○食材の廃棄を把握していない

 

飲食店が開業直後から壁にぶつかる場合、食材の廃棄を把握していないことも多いです。
料理を作りすぎてしまったり、仕入れの数量を見誤ってしまったりすると、知らないうちにどんどんロスが発生し、その分利益は減ってしまいます。
特に、来客数は決して少なくないにもかかわらず、なかなか利益が出ないという飲食店は、この状況に陥っている可能性が非常に高いです。
また、このような状況を防ぐため、改善するためには、毎日閉店時に食材の在庫をチェックし、予定通り使用されているか、残っているかを把握しておかなければいけません。

 

○まとめ

 

ここまで、飲食店が開業直後から経営に苦しむ主な原因を見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
世の中には、開業してすぐコロナの影響を受けてしまったという飲食店もあるでしょう。
ただ、現在経営に苦しんでいるのは、コロナだけでなく前述したようなことが原因になっていることも考えられるため、改めて経営内容を見直してみましょう。
そうすると、思わぬ問題点が浮かび上がるかもしれません。