飲食店の“ハッピーアワー”導入について

2020年11月26日

ハッピーアワー

飲食店の中でも、主に居酒屋などのアルコールを扱う店舗で実施されるのが、“ハッピーアワー”というサービスです。
では、ハッピーアワーは一体どのような目的で行われるもので、どのようなメリット・デメリットがあるものなのでしょうか?
詳しく解説しますので、新たなサービス導入を考える飲食店はぜひご覧ください。


○ハッピーアワーの概要

 

居酒屋などの飲食店が、特定の時間に限定し、割引価格でドリンクメニューを提供するサービスを“ハッピーアワー”といいます。
一般的には、平日の16時~19時ごろに実施されることが多いです。
元々、英語圏の諸国で行われてきたサービスであり、その語源は1920年代のアメリカ海軍において、航海中の“娯楽時間帯”を示していた言葉だと言われています。
日本では、ここ数年~十数年で浸透しましたが、海外では60年ほど前から実施されています。
また、飲食店がハッピーアワーを導入する目的は、なんといっても人が入りにくい時間帯の集客を増やすことです。
特に、平日の夕方は居酒屋などの飲食店にとって、もっとも集客が難しいため、この時間帯に限定して割引されることが多くなっています。

 

○ハッピーアワーのメリット

 

飲食店がハッピーアワーを導入するメリットは以下の通りです。

 

・集客が増える
先ほども触れたように、集客が難しい時間帯のみ割引価格でドリンクを提供することで、集客数のアップが見込めます。
まったく人が入らない状況と比べると、少し客単価が低くても集客できる状況の方が幾分良いでしょう。

 

・人件費の無駄をなくせる
たとえ、飲食店が暇な時間帯であったとしても、従業員を配置させないわけにはいきません。
また、その間1人も来客が訪れなかったとしても、従業員の人件費は発生し続けます。
ただ、ハッピーアワーを導入すれば、必然的に従業員の業務は増えやすくなるため、人件費の無駄を削減できる可能性もアップします。

 

・繁盛している様子をアピールできる
飲食店がハッピーアワーを導入すれば、繁盛している様子を通行人にアピールすることもできます。
夕方の早い時間帯から多くの来客で賑わう店舗があれば、やはり通行人の目に留まりやすいですし、「これだけ流行っているのだから、きっと良いお店なのだろう」という気持ちになってもらいやすいです。

 

○ハッピーアワーのデメリット

 

一方で、飲食店がハッピーアワーを導入することには、以下のようなデメリットもあります。

 

・他の時間帯の集客に影響が出るおそれがある
ハッピーアワーを導入すれば、普段来客が少ない時間帯でもある程度の利益を出せるでしょう。
しかし、その反面、ハッピーアワー終了後の集客に影響が出る可能性があります。
なぜなら、ハッピーアワーがあることを知っている来客は、それ以外の通常料金の時間帯に来客したくないと考えるケースが多いからです。
よって、ハッピーアワー終了後は、また何か別の形で集客できる工夫をしなければいけません。

 

・利益が減る可能性がある
例えば、ある飲食店が平日16時からハッピーアワーを導入しているとします。
また、この時間帯には珍しく、十数人の団体客が訪れたとしましょう。
この場合、通常料金で営業している店舗と、ハッピーアワーを導入している店舗では、明らかに後者の方が獲得できる利益を減らしてしまいます。
もちろん、このような状況になる確率は低いですが、必ずしも利益アップに繋がるとは限らないことを理解しておきましょう。

 

○まとめ

 

ここまで、飲食店におけるハッピーアワー導入について詳しく解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
もちろん、ハッピーアワーはアルコールを扱う飲食店以外でも応用できます。
ドリンクではなく、料理を割引して提供しても構いません。
このような応用や工夫が、コロナ禍の飲食店を救う大きな武器になる可能性があるため、できることはなるべく多く実践していきましょう。