飲食店の店名を決める際のポイントについて

2020年12月25日

ポイント

飲食店における店名には、とてもシンプルなものもあれば、当て字などを使用したユニークなものもあります。
では、これから飲食店を開業する方は、どんなポイントを押さえて店名を決定すれば良いのでしょうか?
詳しく解説しますので、興味がある方はぜひ最後までお付き合いください。


○法律上使ってはいけない言葉について

 

飲食店の店名には、法律上使ってはいけない言葉がいくつか存在します。
1つは、“○○株式会社”、“〇〇法人”といった、会社だと誤認されるような言葉です。
これは、会社法という法律で定められているルールであるため、必ず守りましょう。
もちろん、飲食店を会社として運営する場合は、上記の言葉を使っても構いません。
また、もう1つは、“○○銀行”、“〇〇保険”といった言葉です。
これも、銀行法・保険業法によって、飲食店などの店舗に付けてはいけないことが定められています。
飲食店にこれらの言葉を使うことはそうそうないとは思いますが、事前に把握しておいて損はありません。

 

○商標登録について

 

“商標”とは、特定の企業における商品やサービスと、他社の商品やサービスを見分けるための目印のことをいいます。
また、複数の企業が同じ商標を使用し、当事者や顧客を混乱させないよう、早い者勝ちで登録できる制度が“商標登録”です。
飲食店の店名には、商標登録された言葉を使うことができません。
なぜなら、その言葉は別の企業が独占して使用する権利を持っているからです。
よって、飲食店の店名を付ける際には、事前に商標登録されている言葉をチェックしておきましょう。

 

○検索エンジンでのヒット数について

 

飲食店の店名を決める際は、事前にGoogle等検索エンジンでのヒット数も調べておくべきです。
もし、付けようとしている店名が数多くヒットするのであれば、その店名にするのは見送った方が良いでしょう。
なぜなら、同じ店名のライバルが多いと、検索エンジンで自身の店舗を上位表示させるのは難しくなるからです。
つまり、シンプルな名前にする場合でも、ユニークさを忘れてはいけないというわけですね。
例えば、本来はカタカナで表示される既存の言葉をひらがなにするだけでも、検索エンジンでのヒット数はかなり減少します。

 

○読みやすさについて

 

冒頭でも少し触れましたが、飲食店の店名には、当て字を使用したり、英語や漢字、ひらがなやカタカナを混ぜ合わせたりされるケースもあります。
ただ、響きの良さやオシャレさ、インパクトだけを追い求めて、このような店名にすることはおすすめできません。
店名には、オシャレさやインパクトだけでなく、“読みやすさ”も盛り込みましょう。
読みにくい店名になってしまうと、口コミで名前が広まりにくくなったり、検索のハードルが上がってしまったりします。

 

○店名の変更について

 

飲食店の店名は、一度付けたものをずっと使い続けなければいけないわけではありません。
しかし、店名の変更には莫大な費用がかかります。
例えば、店舗回りのものでいうと、看板やメニュー、パンフレットには必ず店名が入っているため、これらはすべて作り直さなければいけません。
また、経営者の名刺やホームページなども、一からデザインし直す必要があります。
そして、なんといっても“店名を変更した”という事実を広めるための宣伝広告費がかかるため、できるだけ長い間問題なく使い続けられるように、慎重に決定しましょう。

 

○まとめ

 

ここまで、飲食店の店名を決める際のポイントを見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
飲食店の店名は、基本的には自由に決められるものとされていますが、前述のような制約を考えると、実際はそれほど自由ではないと言えます。
よって、パッと思いついた名前をすぐに付けたり、何かを既存のものをもじって付けたりすることはしないように注意しましょう。