飲食店が“OJT”を導入するメリット

2020年12月28日

OJT

飲食店において、従業員への教育を徹底することは重要です。
業務内容をきちんと把握し、なおかつ適切な接客ができる従業員が、人気の飲食店を作り出すと言っても過言ではありません。
今回は、飲食店における従業員の教育方法の1つである“OJT”を導入するメリットについて解説します。


○OJTの概要

 

OJTとは、On the Job Trainingの略であり、実際の現場で業務を通し、従業員教育を行うことをいいます。
簡単にいうと、実践形式の教育方法ですね。
通常業務の一環として、新人の従業員を飲食店に勤務させ、教育係の経営者やスタッフが適宜アドバイスを送ります。
ちなみに、実務から離れたところで行われる座学形式の教育方法は、“OFFJT(Off the Job Training)”と呼ばれていて、OJTとは対極にあります。

 

○飲食店がOJTを導入するメリット

 

・新人の従業員に安心感を与えられる
飲食店がOJTを導入するメリットとしては、まず“新人の従業員に安心感を与えられる”ということが挙げられます。
やはり、座学形式の研修だけを行い、「後は実際現場に出て覚えてください」では、新人従業員の不安は大きくなります。
一方、最初からマニュアルを作成し、教育係を配置しながら、わからないことや失敗についてその都度アドバイスを送るOJTは、従業員の精神的な負担を減らしながら、効率良く業務を覚えてもらうことができます。

 

・早期退職を防止できる
飲食店がOJTを導入するメリットには、“早期退職を防止できる”ということも挙げられます。
業務内容を口頭で伝え、「とりあえず現場に出てみよう」と風な研修をすると、従業員が早期退職してしまう可能性は高くなります。
特に、アルバイトの学生などは、「放置されている」と感じやすくなるでしょう。
一方、OJTを導入すれば、新人の従業員に「しっかり教えてもらっている」と感じてもらえる可能性が高いです。

 

・従業員が育つスピードが早くなる
飲食店がOJTを導入することには、“従業員が育つスピードが早くなる”というメリットもあります。
やはり、言葉や文字で業務を理解するのと、実際現場で行ってみて業務を理解するのとでは、後者の方が知識、技術が圧倒的に身に付きやすいです。

 

・教育係のスキルアップにも繋がる
“教育係のスキルにも繋がる”というのも、飲食店がOJTを導入するメリットの1つです。
教える側が飲食店の業務を正しく理解していなければ、OJTは成立しません。
よって、経営者ではなく、信頼できる中堅の従業員を教育係にした方が、その飲食店はOJTの恩恵を受けやすくなります。

 

・コストがほとんどかからない
座学形式のOFFJTでは、従業員に支払う人件費や、場合によっては研修の外注費が発生することがあります。
一方、OJTはすべて実務の中で行われるものであるため、特別なコストはほとんどかかりません。

 

・OJTの注意点について
飲食店がOJTを導入しても、指導体制が整っていなかったり、教える側の負担が大きく、教わる側の従業員が放置されてしまったりすると、意味がありません。
また、教育係のスキルによって、OJTの成否は左右されがちなため、事前に教育係を育成するための研修も実施することをおすすめします。
もっと言えば、OJTにおける教育係は、通常の業務とは別に指導、アドバイスをする時間を設けたり、新人従業員のペースに合わせて業務を進めたりしなければいけません。
そのため、実務に影響が出てしまうことも考えられます。
つまり、OJTを実施する飲食店の経営者は、教育係の業務中のサポートもしなければいけないということです。

 

○まとめ

 

ここまで、飲食店がOJTを導入するメリットを詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
なるべく長く勤務してもらえる即戦力の従業員を育てたいのであれば、ぜひOJTを導入しましょう。
もちろん、飲食店全体のバランスを考えなければ、効率の良い方法とはなりませんが、経営者が適切に行動すれば、もっともスピーディーに導入できる教育方法だと言えます。