飲食店の経営者が調理師免許を取るメリット

2020年12月30日

料理

飲食店を開業するにあたって、経営者は必ずしも調理師免許を取らなければいけないわけではありません。
ただ、取得することにより、さまざまなメリットが生まれます。
今回は、調理師免許の概要などと併せて、具体的にどのようなメリットがあるのかについて解説しますので、気になる方はぜひご覧ください。


○調理師免許の概要

 

調理技術、食に関する専門知識を持つことを証明するのが“調理師免許”です。
“食に関する専門知識”には、食材の知識だけでなく、栄養あるいは衛生に関する知識も含まれます。
また、調理師免許の取得方法は、主に以下の2種類に分かれます。

・専門学校、養成施設で学んで取得する
厚生労働大臣が指定する調理師専門学校、大学などの養成施設で学び、卒業するという方法です。
卒業後に申請すれば、調理師試験を受けなくても調理師免許が取得できます。

・実務経験を積み、調理師試験に合格する
飲食店などで2年以上の調理実務経験を積んだ後、各都道府県が実施する調理師試験を受験し、合格するという方法です。

ちなみに、調理師試験の試験内容は以下の6科目で構成されていて、難易度は決して高くありません。

・公衆衛生学
・食品学
・栄養学
・食品衛生学
・調理理論
・食文化概論

 

○飲食店の経営者が調理師免許を取るメリットは?

 

では、飲食店の経営者が調理師免許を取ることには、どんなメリットがあるのでしょうか?

・正しい知識を得るきっかけになる
先ほども触れたように、調理師免許を取るためには、あらゆる分野について学ばなければいけません。
また、それらは試験がなければ、なかなか自発的には学べない分野であり、調理師免許を取ることは正しい知識を得る大きなきっかけとなります。

・社会的信用が高くなる
飲食店の経営者が調理師免許を取れば、社会的信用はグッと高くなります。
もちろん、“正しい知識、技術を持った経営者がいる“ということを、来客にアピールすることもできます。

 

○飲食店が調理師免許を持つ従業員を採用するメリットは?

 

では、飲食店が調理師免許を持つ従業員を採用することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

・即戦力として活躍してくれる
飲食店が調理師免許を持つ従業員を採用すれば、当然即戦力としての活躍が期待できます。
そのため、店舗の規模拡大などを考えている場合は、店長候補として採用するのも良いでしょう。

・料理の質が上がる
飲食店が調理師免許を持つ従業員を採用するメリットには、“料理の質が上がる”ということも挙げられます。
これは、経験の少ない従業員と比較した場合のメリットです。
やはり、実務経験もある調理師に料理を作ってもらった方が、料理の質は上がりますし、来客の評価もアップしやすくなります。
また、調理師の中には、長い実務経験の中で高い接客のスキルを身に付けた方も多く、その能力も発揮してもらえば、ますます飲食店の評価は良くなります。

・他の従業員のスキルアップに繋がる
調理師免許を持つ従業員の採用は、他の従業員のスキルアップにも繋がります。
調理や食材、栄養に関する知識を豊富に持つ調理師は、いわば他の従業員の模範となる存在であり、そこから他の従業員が新たな知識や技術を盗むことで、飲食店の実力は底上げされます。
また、既存の従業員では思いつかなかったような目線でアドバイスをしてくれたり、作業の効率をアップさせてくれたりする可能性もあります。

 

○まとめ

 

ここまで、飲食店の経営者が調理師免許を取るメリットなどについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
調理師免許を持つ人物がいなくて損をすることはあるかもしれませんが、いることで損をすることは基本的にはありません。
よって、飲食店の経営者は自身で資格を取得するか、もしくは従業員のうち、最低でも1人は調理師免許の有資格者を配置しておくべきでしょう。