居抜き購入後のトラブルについて解説します

2023年02月16日

女性

飲食店を開業する際は、すべての方がスケルトン物件を賃貸するとは限りません。
中には、居抜き物件での開業を行う方もいます。
しかし、居抜き物件では、購入後のトラブルが起こることも想定しなければいけません。
ここからは、トラブルの種類や回避方法などについて解説していきます。

 

居抜き物件は購入後のトラブルが多い?

 

居抜き物件は、当然スケルトン物件とは違い、店内や設備がある程度使用されています。
そのため、不具合などのトラブルは必然的に発生しやすくなります。
ただし、もちろんすべての居抜き物件に言えることではありませんし、前もってトラブルの種類、対処法を知っておけば、経営に支障をきたすこともありません。

<h2>どのようなトラブルが起こるのか?</h2>
居抜き購入後に起こり得るトラブルは、“入居後すぐに気づくもの”、“ある程度経過してから気づくもの”の2種類に大別されます。
具体的には以下の通りです。

①入居後すぐに気づくもの
・設備の不具合、故障
・建物自体の不備(窓が開きにくい等) など

②ある程度経過してから気づくもの
・シロアリ被害
・雨漏り、水漏れ被害
・断熱材の欠損 等

中でももっとも多いのは、やはり設備の不具合や故障、建物自体の不備です。
また、こちらは居抜き物件に限ったことではありませんが、シロアリ被害や雨漏り、構造上の問題なども見つかる可能性があります。

 

不備や不具合を見つけたらどうすれば良い?

 

居抜き購入後にトラブルが発生しているのを見つけたら、まずは真っ先に記録として残しましょう。
具体的には、当該箇所の写真や動画を撮ることをおすすめします。
例えば、雨漏りを発見しても、不動産会社や売主に見てもらう際には一時的に収まっているかもしれません。
このような場合に、写真や動画、トラブルが発生した日付などが残っていれば、非常に便利です。
そして、問題の箇所について記録した後は、必ず当日に不動産会社に連絡しましょう。
営業日ではない場合は、電話ではなくメールで状況を伝えておくことで、早期の対応が期待できます。

 

トラブル発生時、やってはいけないことは?

 

居抜き購入後、前述のようなトラブルが発生したとき、絶対にやってはいけないのは、連絡せずに様子を見ることです。
なぜなら、様子を見ている間に状況が悪化してしまったり、売主の契約不適合責任が適用されなくなったりする可能性があるからです。
契約不適合責任とは、不動産を引き渡した後の瑕疵について、売主が一定期間責任を負うというルールであり、居抜き売買の際の造作譲渡契約書に詳細を記載します。
不動産会社が売主の場合、契約不適合責任の期間は、買主が瑕疵を知ってから1年以内、かつ特約で定めた引き渡しから2年以上となります。
一方、売主が個人の場合、一般的には1~3ヶ月程度となることが多く、これを過ぎると買主は居抜き物件の不備、不具合の責任を負ってもらえません。

 

トラブルを回避するには?

 

居抜き購入後に起こるトラブルをできる限り回避するには、やはりなぜトラブルが起こるのかを知ることが大切です。
トラブル発生の原因として挙げられるのは、主に以下の2つです。

・購入時のチェックが甘い
・売主の知識が少ない

買主における購入時のチェックが甘いと、当然居抜き購入時のトラブルは起きやすくなります。
例えば、雨漏りや断熱材の状態などは、買主が目視で確認することができません。
そのため、これらの箇所に関しては、内見の際に不動産会社とともにきちんとチェックする必要があります。
また、居抜き物件の売主の多くは、初めて居抜き物件を売却する方がほとんどです。
つまり、知識が乏しい方が多く、こちらがトラブルにつながりやすいというわけです。
もちろん、買主がそれを補うほどの知識を身に付ければ良いだけの話ですが、やはり双方が不動産売買の知識を持っていないと、トラブルの発生率は上がってしまいます。

 

設備の不備や不具合を防ぐための対策

 

居抜き購入における設備関連のトラブルを防ぐためには、必ず入居前に動作確認をしましょう。
ただし、各種インフラが通っていない状態の場合、その段階では動作確認できない設備も出てくるため、このような設備に関しては、水道やガスが通り次第すぐにチェックします。
そして、なるべく早めに購入する居抜き物件の状況を知りたいという方は、契約の数日~数週間前までに告知書(物件状況報告書)を受け取りましょう。
こちらは、売主が買主に対して、取引対象となる物件の状況を説明するための書面であり、早めに受け取ることで、居抜き購入までにトラブルを改善できる可能性があります。

 

まとめ

 

ここまで、居抜き購入で起こり得るトラブルのことを中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
建物自体の劣化や、設備の不備、不具合といった入居後のトラブルは、もちろん居抜き物件だけでなく、スケルトン物件であっても十分起こり得ます。
ただし、居抜き購入をする際は、その可能性がより高いということを念頭に置いて、内見を徹底したり、手続きを進めたりしなければいけません。