後継者が見つからず飲食店を廃業すること

2023年02月23日

飲食街

子が事業承継を拒否している場合や、優秀な従業員が見つからない場合などは、後継者が決まらず、飲食店が廃業に追い込まれることもあります。
しかし、オーナーはなるべく廃業という選択を避けなければいけません。
ここからは、後継者が決まらず、飲食店を廃業することのデメリットを中心に解説します。

 

後継者が見つからず飲食店を廃業するデメリット

 

飲食店の後継者が見つからず、そのまま廃業することには以下のようなデメリットがあります。

・費用がかかる
・従業員を解雇する必要がある
・独自技術やノウハウが消滅してしまう
・取引先に影響が出る可能性がある

<h3>費用がかかる</h3>
飲食店を廃業することのデメリットには、まず費用がかかるということが挙げられます。
具体的には、各種設備の処分、建物の解体費用等です。
また、賃貸物件で経営している場合は、原状回復費用がかかります。
もちろん、これらの費用は、経営に苦しむ飲食店等にとっては決して安いものではなく、場合によっては数千万円単位まで膨らむ可能性もあります。

 

従業員を解雇する必要がある


飲食店を廃業することのデメリットとしては、従業員を解雇する必要があるということも挙げられます。
飲食店が経営を終了するわけですから、これは当然のことです。
所属する従業員がまだ若い場合、次の勤務先を見つけられる可能性はまだありますが、50代など比較的高齢の従業員が多い場合、なかなか簡単に次の職場は見つからないでしょう。

<h3>独自技術やノウハウが消滅してしまう</h3>
飲食店を廃業することのデメリットには、独自技術やノウハウが消滅してしまうということも挙げられます。
飲食店のオーナーであれば、誰もがこれまで培ってきた独自の技術、経営を成功させるためのノウハウを持っていることでしょう。
しかし、後継者が決まらず、そのまま廃業することになれば、当然それらの積み上げてきたものは、すべて世の中からなくなってしまいます。

 

取引先に影響が出る可能性がある

 

後継者が見つからず、飲食店を廃業することにより、取引先に影響が出ることも考えられます。
例えば、自店が食材や種類の卸業者における主要な得意先となっていた場合、その卸業者は、得意先の廃業に伴い、大きく売上を減少させることになります。
その結果、卸業者までもが倒産し、連鎖的にいくつかの企業が次々と倒産することも可能性としてはあり得ます。
もちろん、取引先のことまで加味して廃業するか否かを判断するのは難しいことですが、廃業が自店や従業員以外にも影響を与えることについては、あらかじめ理解しておかなければいけません。

 

居抜き譲渡を行うことのメリット

 

後継者が見つからない飲食店は、前述したようなデメリットを受け入れた上で、廃業するしかないのかというと、決してそのようなことはありません。
新たに飲食店の経営を始めたいという方に、設備などを残したまま店舗物件を譲る居抜き譲渡であれば、後継者が見つからなくとも、廃業させることなくリタイアすることが可能です。
また、居抜き譲渡を行うことには、以下のようなメリットがあります。

・原状回復工事を免除できる
・賃貸オーナーへの余分な賃料支払いを減らす
・造作譲渡金を獲得できる

 

原状回復工事を免除できる


飲食店を廃業させず、居抜き譲渡することで、賃貸物件の原状回復工事を免除できます。
小規模の飲食店であっても、原状回復工事を行えば1坪あたり7~10万円ほどの費用がかかります。
また、ダクトが屋上まで伸びていたり、厨房の防水層を掘削工事で壊す必要があったりする場合、100万円単位になることも考えられます。
一方、居抜き譲渡は原状回復工事を行わず、そのまま物件を明け渡すことができるため、コストの面で非常に有利です。

 

賃貸オーナーへの余分な賃料支払いを減らす


飲食店を廃業せず、居抜き譲渡することにより、賃貸オーナーへの余分な賃料支払いを減らすことが可能です。
居抜き譲渡の場合、次の借り手に物件を引き渡す直前まで営業することが可能であるため、通常であれば負担しなければならない解約予告期間、解体工事期間の賃料を支払う必要がありません。

 

造作譲渡金を獲得できる

 

居抜き譲渡には、造作譲渡金を獲得できるというメリットもあります。
こちらは、居抜き譲渡における最大のメリットと言っても過言ではありません。
使用可能な厨房施設、調理器具等、内装付属品を高値で売却することにより、飲食店のオーナーは廃業後の生活資金を確保することができます。
もちろん、廃業後に別事業へ移ることを考えている場合は、造作譲渡金をその費用に充てることも可能です。

 

まとめ


ここまで、後継者が見つからず、飲食店を廃業することのデメリットを中心に解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
後継者がいないからといって、簡単に廃業してしまうと、コストや雇用などさまざまな問題が出てきます。
そのため、こういったケースにおける選択肢の1つとして、居抜き譲渡は必ず覚えておくべきです。
当社エムズリビングでは、居抜き譲渡を検討しているオーナーを全力でサポートさせていただきます。